このブログは、ちょうどエビリファイの発売直後に始めており、当初はエビリファイを処方した印象や試行錯誤の記事が多い。
今やエビリファイはジェネリックの時代に入ろうとしている。10年ひと昔というが、全くその通りだと思う。
大塚製薬は2016年8月25日木曜日にエビリファイ液の1mlを発売する予定らしい。今、カレンダーを見に行ったところ、やはり大安だった。
発売日を大安に合わせようとするのは、全ての製薬会社がそうではない。一刻も早く発売し、少しでも伸ばそうとする合理的な製薬会社もありそうに思う。
今回のエビリファイ1mlはちょうど1㎎になるが、自閉性スペクトラムへの適応拡大などを視野に入れているのではないかと思われる。液剤1ml包装なんて、いかにも小児向けだからである。
今まで3㎎が最小剤型だったため、1㎎処方するのは難しかった。今時、細粒なんて流行らないのもある。利便性を考えるなら、できるだけ錠剤か液剤が良い。
うつ病の抗うつ剤との併用でのエビリファイ追加処方では、3㎎でも多いと思える人がいる。そのような人には3㎎錠を2分の1に割り1.5㎎処方するようにしている。
エビリファイは少量ほど相対的に下半身の副作用が出やすい傾向があるが、1.5㎎レベルではかなり少ない印象である。したがって可能かどうかは知らないが、1.5㎎処方するような人には1ml液剤投与も良いと思われる。
しかしエビリファイ1mlは、薬価が83.4円と著しく高価な上に液剤だと個々の包装がかさばる難点もあり、子供など特別な人向けにしか処方されない可能性もある。
エビリファイは元々賦活系の非定型向精神薬だが、液剤だと鎮静的要素が加わる。
もし、エビリファイ1mlは自閉性スペクトラムの二次障害をターゲットにしているとしたら、小児の忍容性の低さと鎮静という2つの面で、従来の錠剤や細粒に比べより好ましい効果が期待できるかもしれないと思う。
ひょっとしたら、ジェネリック発売の直前に剤型追加したかったこともあるのかもしれない。先発品の製薬会社は、ジェネリックの発売前に新しい剤型や適応追加を行うことはあんがい多いからである。
参考
エビリファイと自閉性障害
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エビリファイ内用液1ml追加発売の予定
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