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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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リリーフ成功というやつ

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昔、野球のファンの頃、月曜日は手持ち無沙汰だった。試合がないから。

朝からテンションが低い。今から考えると、日々の試合にかけているものが違う感じだった。

もちろん、かけているのは人生である(笑)。

当時、テレビを観ていたら、カープのファンでアウェーの試合も全て応援に行くオッちゃんが出ていた。まだ子供の僕は、なんと幸せな奴、と思ったが、同時にどんな仕事をしているのか気になった。

その皆勤賞でカープの応援に出かけているオッちゃんは自営業だった。しかし、ほとんど奥さんに仕事を任せていたのである。

奥さんは、「好きなものは仕方がない」と半ば呆れ気味にインタビューに答えていたが、全く昭和という時代の最後の頃は、幸せな世の中だったと思うよ。

最初に月曜日は試合がないと書いているが、たまにどこかの球場で試合をしておりラジオ放送もされていた。パリーグの試合のこともあった。

東海ラジオゥ~、ガッツナイタ~

というチェンジの際の音楽を聴き、

中日ファンは、いつもこれを聴いているのか・・

と、なんとなく感心した。野球ファンはサッカーに比べ戦友の意識がより強く平和的だし仲が良いと今では思う。

うちのオヤジは熱烈な阪神ファンだったが、同時にアンチ巨人でもあり、阪神の試合結果と同じくらい巨人の試合をチェックしていた。

だから、たまに同時に阪神と巨人の試合が別々にラジオ放送があると、ラジオを並べて2試合を聴いていた。近くに行くと、耳が痛いと言うか、苦痛なほどのほどの騒々しさである。

まったく聖徳太子のような男だな・・と思った。(参考

オヤジを見ると、「好き」の反対は「嫌い」ではなく、「無関心」であるのがわかる。

日本人はせっかちなので、毎日のように試合がある野球の方が興行的には向いていると思う。結果も早く出るし点も良く入る。

サッカーに至っては、ホームで何ヶ月も勝たないこともありうる。それどころか、点数すら入らないこともある(参考)。これって、当時のオヤジには到底耐えられないと思う。野球はルールが難しいが、嵌ると結構面白いスポーツである。

あるドイツ人のインテリの人が日本に住み始めて、初めてテレビで野球の試合を観ていたところ、なかなかルールが理解できなかったという。

確かに、野球は外野に玉が飛んでいったとしてもゴロとノーバウンドの飛球では大違いである。ファールの扱い方も難しい。野球は球場も特殊だし、海外に広まりにくいスポーツだと思う。

野球は元々、アメリカに戦争に負けたから広まったわけではなく、戦前から結構人気があるスポーツだった。北杜夫の私小説でも野球の話が良く出てくる。戦前に親善試合のためベーブ・ルースが来日している。世界のうち、環太平洋で最も野球の人気が高い。

今は僕はあまり野球は観ない。だから選手の名前をあまり知らない。名前も守備位置も知らない選手が、サッカーのJ2の1チームの総年棒くらいの報酬を貰っているのは脅威である。

サッカーは普通1週間に1度しか試合がない。ホームという視点では2週間に1度である。野球はやらない日の方が少ないので、スポンサーのコマーシャルの視点で、興行的に野球の方がサッカーより価値が高いのは理解できる。メディアへの露出度の相違である。

それでも10年単位で観るとサッカーファンは増えている。これは日本がワールドカップに出場し始めたことや、ブンデスリーガの香川のように海外で大活躍する選手が出始めたことも大きい。若い世代でよりサッカー嗜好が高いので、野球とサッカーの人気の比も逆転する日が来るのかもしれない。

ところで、野球ではリリーフ専門の投手でも2種類ある。いわゆる中継ぎ専門と締めくくりのリリーフエースの投手である。もちろん後者の方が価値が高く、優れたピッチャーが担当している。よほどの若手でない限り年棒も高額である。

しかし、中継ぎの選手の良し悪しは長いペナントレースを勝ち抜くためには非常に重要である。中継ぎのピッチャーがいつも打たれると敗戦が決まってしまう。そういう試合ではリリーフエースも出てこない。リリーフエースが毎日のように出てこないということは、最近は完投率が低いので、ほぼ負け続けていると言える。

リリーフエースで、会心の当たりを良く喰らうのに、いつも締めくくりに成功するピッチャーがいる。

よく野球であるだろう。リリーフに出てきて、会心の打球が横っ飛びのサードライナーとかで終わる感じ。今日の調子はあまり良くなかったけど、結果的にリリーフ成功というやつ。

調子が良い日は平凡に締めくくり、調子が悪い日はラッキーで締めくくる。そういう選手である。

いつも彼はついているのである。それこそ彼の能力でもある。

精神医療では、個々の患者さんを初診からずっと診ることもあるが、全体を通せば、リリーフ的に入ることが多い。だから、いつもついていないとやってられないと思う。

序盤で治療に苦しむことがある。何をやってもうまく行かない時である。そういう時、自分はいつもついていると思うのと、いつも不運だと思うのでは全く結果が違う。

過去ログに治療者はいつも楽天的な方が良いという言葉が出てくる。これと同じである。

たぶん、治療の際の患者さんにかける「言葉の重さ」や「薬の効果」に相違が出るんだと思う。医療には、精神科に限らず、メンタルの影響が大きい。それは家族も同様である。

今回の記事は野球で始まったが、オカルトで終わっている。

このブログは精神科におけるサイエンスの部分とオカルトの部分が、ほど良くミックスされているのが特徴だと思う。

参考
20歳前の人なら、まずは25歳くらいまでに良くなれば
躁状態と連動する幻聴
アイルランド vs オーストラリア 1991


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