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リリカ、本邦で初めて線維筋痛症の適応を取得

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2012年6月22日、リリカは新たな効能・効果として「線維筋痛症に伴う疼痛」の承認を取得している。これは6月22日の夕方、官報に掲載された。

線維筋痛症は精神科ではICD-10に掲載されていないが、精神科以外の科でICD-10の病名として登録されているらしい。(過去ログ参照)

リリカは適応症の変遷があり、2010年6月に発売された当時は「帯状疱疹後神経痛」しか処方できなかった。

2010年10月に「末梢神経障害性疼痛」の治療薬をして承認を受け、この際に「帯状疱疹後神経痛」は削除されている。つまり「帯状疱疹後神経痛」は「末梢神経障害性疼痛」に包括されたのである。だから、正確には変更とは少し異なり、「大幅に拡大された」ことに近い。

「末梢神経障害性疼痛」という病名?は一般の人は聞きなれないかもしれない。

痛みは一般に、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛の3つに大別されている。

①侵害受容性疼痛とは、侵害刺激(機械的刺激、熱刺激、冷刺激、化学的刺激など)とそれに伴い産生したブラジキニンなどの発痛物質が末梢神経終末の侵害受容器を刺激することによって起こる痛みをいう。侵害受容体性疼痛を引き起こす疾患として、肩関節周囲炎、腱鞘炎、関節リウマチなどがある。

②神経障害性疼痛は、神経の損傷あるいはそれに伴う機能異常によって起こる痛みで、様々な知覚異常を伴う。病態や発症機序が複雑・多彩であり、代表的な疾患として、帯状疱疹後神経痛や糖尿病神経障害に伴う痛み・痺れなどがある。

③心因性疼痛とは、器質的な病変がなく、心理的な要因により生じる痛みを言う。WHOによる国際疾病分類では身体表現性障害、米国精神医学界のDSM-Ⅳでは疼痛性障害という項目に挙げられている。概念的には、器質的病変がなく、痛みの原因の全てを心理的な要因が占める場合、または痛みを生じる原因として器質的、身体的病変が存在するものの、痛みの訴えの説明には不十分な場合のいずれかである。

一般に②神経障害性疼痛は、神経の損傷部位により末梢性と中枢性に分類されている。

末梢神経性疼痛の代表的なものは帯状疱疹後神経痛と糖尿病神経障害に伴う痛み・痺れが挙げられているが、これらは明らかに末梢性である。(これ以外にも、三叉神経痛、自己免疫性神経障害、栄養障害による神経障害、アルコール性神経障害など多くの疾患がある)

一方、中枢神経障害性疼痛には、脳卒中後疼痛、多発性硬化症疼痛、脊髄空洞症、パーキンソン病疼痛などが挙げられる。

また、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛ははっきり二分できるものではなく、双方の要素を併せ持つ疼痛もみられる。

参考
リリカ
線維筋痛症とパニック②



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