今、急に思い出したので書き留めておく。
僕が5年生の時、隣のクラスの男性教諭が、クラス全員の算数の採点済み答案を張り出したことがあった。
驚くだろうが、本当の話だ。
彼の意図を今から想像するに、結果が悪かった人を激励する意味もあったと思う。しかし、結果の悪かった児童の心情はあまり考慮していなかったとは言える。その理由だが、0点の児童も6人くらいいたからである。しかもその6人の内5人は女子だった。
彼のクラスは成績の良い児童とそうではない児童が二分化しており、中間層が少なく正規分布していなかった。なぜそれを知っているかと言うと、6年時に彼が自分のクラスの担任となり、その話をしていたからである。
全員の答案を廊下に貼るとは、その後の影響を考えるとかなり大胆な行為と言えた。たぶんPTAから苦情が出たのであろう、その後、3日くらいで貼り出した答案は回収された。
それでも、それ以上の問題にはならなかった。今だったらテレビや新聞に出るかもしれないような事件である。
当時、各クラスでテスト日は統一されていなかったため、まだその市販テストを実施していないクラスもあり、それも問題だった。(他のクラスの子に問題や正解がわかる)
その教師は6年生の担任になったが、どうもその事件もあり、心を込めては好きになれなかった。子供心に、あの教師を軽蔑していたんだと思う。
その教師は答案事件のようなものは、僕のクラスでは起こさなかった。ただ、とりわけ出来の良い児童を贔屓する面があり、むしろ僕は成績が良かったこともあり可愛がられた。
そのクラスではとりわけ成績が良い児童が3人おり、1人は僕だったが、そのうちの1人の家庭に彼が家庭教師に行っていた事が後に判明。(これも過去ログに出ている)。
ああいうことをする人は、そのようなこともするのであろう。たぶん。
その教師がある時、自分を呼び、少し遠まわしに助言した。以下はその時の要約である。
このまま田舎の小学校~高校まで進学した場合、県立高校のレベルから考えて、君にとって残念なことになるかもしれない。だから家族に話して○○市の私立の中学校に行けるように頼みなさい。
といったものである。彼は真に僕のことを考えて助言していたと思う。(その後、健康を害し他所の中学や高校に進学するどころではなくなったが)。
しかし、彼の予測は全く外れたのである。過去ログにあるように、あの時代のあの地域にはレベルの高い児童が多く、次第に地元の県立高校のレベルが上がったためだ。
その証拠に、僕が卒業する2年前に東大理Ⅲに合格した先輩がいたし、2~3年上の理系クラスでは1クラスに6人の京大合格者が出るなど、一介の県立高校としては想像しがたい発展を遂げたためである。(東大理Ⅲは合格者が出ない県がある)
いかに教育は環境が大きいかがわかる。
あの当時から、ずっと気持ち的にその教師は許せない人の1人だったが、その後よくわからないが気持ちの変化が起こり、10年くらい前に許した。
実は、許した方が良いのか、許さない方が良いのかさえ、自分の中ではまとまっていない。彼がしたのは、あの2つの失態だけではないからである。
ただ、1つだけ言えることは、彼は自分には実害がなかったから許したわけではない。そういう理由なら、たぶんとっくに許している。
今日のエントリは良くわからない人も多いと思う。
参考
独創的な授業をする先生
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クラス全員のテスト結果を廊下に貼り出した先生
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