ある時、わざわざフィリピンまで出かけ、イカサマ外科医の施術を受けてきた人に会った。
このイカサマ外科医は本当の医師ではなく、ただのインチキ施術師なので、タイトルは誤りである。
その施術だが、患者をベッドに寝かせ、腹の中にあたかも手を突っ込むような手品というか魔法を行う。その結果、お腹の上は血だらけになる。この血は、あらかじめ用意されている動物の血液だと思う。
非常に短い時間で、手術が終わり、見かけは大出血はするものの「傷跡もなく治癒する」という仕掛けである。その際に、病んだ臓物まで見せられるおまけ付きである。その贓物も何らか動物の内臓であろう。
そこで、本人にその施術が効いたかどうか聴いてみた。
つまり治療効果があったのかどうかを尋ねたわけである。この答えは、今後本人の治療に参考になる。
凄く効いた。
というので、もうこれ以上、こちらが言うことはなかった。
この結果だが、このブログでよく出て来る「非日常」の状況にうまく置いて、結果的に自覚症状を改善したもののと思われる。
彼女にとって、決意のもとフィリピンまで渡航し、ある程度のお金を支払い治療を受けているのである。あまり海外に行かない人だったので、それだけでもノルアドレナリンが出まくりだったと思われる。
そのような状況なら、症状が快方に変化してもおかしくない。
精神科医は、このような明らかに否定せざるを得ないものも、ある程度、保留して平行線のまま治療を行わないといけないケースがある。
精神科はサイエンスだが、妙な出来事が入り込んでくるのである。また、それに説明がつくのが面白いところである。
参考
精神疾患における非日常の考え方(12)
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フィリピンのイカサマ外科医の話
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