もう20年以上前の話だが、サッカーのユーロ1988(欧州選手権)の映像で初めてルート・フリットのプレーを観た。彼は当時、既にスーパースターであり、ユーロ1988のオランダの優勝にも貢献している。(得点王はファンバステン)。
1988年の欧州選手権は西ドイツで開催され、開催国の西ドイツを含め、たった8チームしか参加できなかった。(予選リーグで1位の7チームしか本戦に進めない)
本大会では、4チームずつ2つの総当りリーグ戦を行い、上位2チームが準決勝に勝ちあがるシステムであった。(西ドイツ、ソ連、オランダ、イタリアが準決勝に進出)
決勝戦はオランダvsソ連。
この2チームはグループリーグでも戦い、初回はソ連が1-0で勝っている。オランダは準決勝で西ドイツを破り、決勝に勝ちあがった。
そして決勝はソ連と2度目の対戦になったが、今回はオランダが2-0で勝利し初優勝したのである。オランダはあれほどの強豪でありながら勝負弱く、W杯とユーロの優勝はこの時だけである。
フリットはその後、日本のCMにも出ていたが、多くの日本人にはいかなる人物か知られないままだったような気がする。まだ、日本ではプロサッカー(Jリーグ)が始まる前だったからである。
フリットを見てまず気付くのは、その特徴ある髪型。
あの編んであるような髪型は、ドレッドロックスとか単にドレッドなどと呼ばれているようであるが、果たしてあんな風にしていて、きちんと洗髪できるのだろうか?と疑問を持った。
今回のエントリはもちろん「毎日、髪を洗わない」に関係している。ちょっとだけね。
あの髪型は、遠目からだとはっきりしないが、細めの三つ編みを更に複雑に編んでいるようで、到底、櫛が入るようには見えない。
だから、風呂に入った時に、ざっとシャンプーを流し揉み解すように洗うのだろうか?などと想像した。あの髪は一度ほどいたら最後、再び編みなおすには相当に時間がかかりそうだから。
未だに良く知らないのだが、あの髪型の場合、髪が伸びてきたらどのように対処するのでしょうか?
その後、フリットだけではなく、カメルーンのサッカー選手などにも同じような髪型を目撃するようになった。ある種のファッションとは言え、かなりの犠牲を払う(ように見える)髪型だと思っていた。
フリットの髪型やその洗髪方法を考えていると、どうしても江戸時代の髪型の謎に行き着く。
当時の日本の「ちょんまげ」は世界的に見ても、相当に奇妙な、まさにオカルトの髪型ではなかったのだろうか? ドレッドヘアに負けないくらいに・・
「ちょんまげ」は、時代劇だとカツラを被ればそれで終わるが、当時の人はマジ手入れが大変だったと思う。
また、形も一部わざわざ剃りこみを入れているので、黒と白(肌色と言うべきか)の美しいシンメトリーが表現されている。また、ちょっとありえない立体的髪型とも言えた。
このエントリは別にトレッドヘアやちょんまげをバカにしているのではなく、ひょっとしたら、あのちょんまげは、当時の極めて平和な日本を象徴していたのではないか?という懐古的なものである。
本当かどうか知らないが、当時、日本を訪れた外国人(たぶんオランダ人)は「日本人は銃を装備している」と驚いたという話は、全く納得できるものである。
ヒトという生物は、平和というか時間の流れが緩やかになる場面、純粋にエンターテインメントの世界では、あまり合理性を追求しないのかもしれない。
ちょっと考えると、不便なのはわかりきっているからである。
参考
ダーウィン第4惑星
精神科医と携帯電話
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ドレッド・ヘアと江戸時代の髪型
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