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精神疾患とTattoo

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Paper Gangsta(Lady Gaga)レディ・ガガのペーパー・ギャングスタ。この楽曲にはTattoo(タトゥー)についての内容が含まれている。(視聴だけにしてください)

一部の精神疾患ではその精神症状から、安易にTattoo(タトゥー)を入れてしまうことがある。

初診時に既に入れているものはどうしようもないが、治療を始めてから、うっかりTattoo(タトゥー)を入れてしまうのは是非避けたい。その理由はいくつかある。

元々、「Tattooを入れること」はADHD的所見である。その大きな理由は、行き当たりばったりで先のことをいっさい考えていないから。また双極性障害的な所見と言う見方もできる。それは「大胆な決断をすること」である。

Tattooは少なくとも日本では歓迎されるファッションとはいえない。これは元々Tattooが、日本では罪人にペナルティーとして入れた歴史があるからだと思う。

近年はミュージシャンなどで結構、Tattooを入れている人もいるが、これはこれで生涯、1人の芸術家としてやっていくつもりだろうから、それほど影響はないと言える。しかし、一般の社会人では、Tattooを入れていることで就職に影響が出ることも十分にある。例えば決められた制服が着られなくなることもあるから。

温泉では、「Tattooお断り」の表示があることもあるし、女性なら、将来結婚した時は子供とは家族湯にしか入れないということにもなりうる。

海外のサッカー選手は昔はそうでもなかったが、ここ10年くらいでかなりTattooを入れている人が多くなった。Jリーグの外人助っ人は入れている方が多いのではないかと思うほどだ。ワールドカップアジア予選でも、オーストラリア戦では、かなりの選手がTattooを入れていた。主力のケーヒルなどはかなり派手に入れている方だと思う。サッカー選手のTattooは、イングランドのベッカムが活躍した時期から急激に増えている印象。

日本人選手では、Jリーグでは入れている選手がほとんどいないように見える。少なくとも日本代表に入るような選手ですら、入れている人はいないのではないかと思う。

これは皆、引退後の生活について考慮しているんだと思う。サッカー選手は30歳代前半はベテランだし、引退後、どのような職種につくかわからないので、その時のことを考えて「Tattooは入れない」方が合理的な判断である。

上のレディ・ガガの楽曲だが、「この音楽の世界でやっていくという大きな決意」を語っているんだと思う。彼女は本物になりたいのである。そのことが、「ペーパー・ギャングスタになんてなりたくない」という意味でもある。

海外は日本ほどTattooに対する悪いイメージはないと思われるが、それでも彼女はこの楽曲の中で友人に忠告されている。

皆は忠告してくれた。「やめた方がいい」と。
「ねえ、あんた、一度削ると、取り返しがつかないわよ」


レディ・ガガは取り返しがつかないことはわかっているのである。

オーストラリアに行くと、Tattoo入れてくれるショップを見る。オーストラリア人は、少し日本的には変というか、思わず笑ってしまうような言葉をTattooで入れている。例えば「温かい家庭」を夏着だとすぐにわかる位置の背中に入れているのを見たことがある。「温かい家庭」は、それだけだと変とは言えないが、Tattooだと思わず笑ってしまう奇妙な印象がある。オーストラリア人には、Tattooに日本人が抱くようなマイナスのイメージはないように見える。

僕は、特に若い女性患者さんで何も言わないと、Tattooくらい入れてしまうと思われる人には、うっかりTattooを入れないように指導する。それも直接言うと反発してかえって入れてしまう女性もいそうなので、上のような話をしつつ遠まわしに指導する。そのような話をすると、

なぜ、先生、そんなことがわかるんですか?

と逆に聞き返されることもある。その若い女性は、来月、入れようと思っていたらしい。注意喚起した大きな理由は、放って置くとその子は本当にTattooをいれそうだからである。それ以外にない。

かなりTattooを入れていたのに、後にやはり消そうと思い、手術をした女性患者さんがいる。彼女は手術費用に数十万使ったが、まだ全ては消せていない。彼女に関しては、Tattooについて僕は何も言わなかった。あれほど入れている人に、今更、Tattooは良くないと言っても、自分に対し悪い印象しか与えないと思ったからである。しかし、彼女自身が、考えを改めて手術をしたのである。「手術を決断したこと」は、ある種の治療の成果の1つなんだと思う。

レディー・ガガは今回、初めて紹介したが、個人的に、Just Dance と言う楽曲が好きである。嫁さんはPoker Face が一番だと言う。確かにこの楽曲もかなり良い。以下は、ちょうどその2曲のライブ映像が見つかったのでアップしている。


Lady GaGa Just Dance amp; Poker Face Live

参考
患者さんに離婚を勧めてはならない


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