ゼプリオンはヤンセンファーマから既に発売されており、薬価も決まったようである。前回の記事に記載した薬価に比べ、ずっと安価に決まったようなので、今回紹介することにした。
ゼプリオン
25mgシリンジ 18712円
50mgシリンジ 29996円
75mgシリンジ 39531円
100mgシリンジ 48083円
150mgシリンジ 63369円
前回「ゼプリオン」の記事では、25mgで22000円くらいになるのではないかと記載しているが、10~20%ほど安く決まっている。
維持量の設定であるが、過去ログでは、リスパダールコンスタとの換算に触れている。換算的には倍量で、リスパダールコンスタを2週ごとに25mg筋注している人はゼプリオン50mgで良い。1ヶ月に1回、ゼプリオンを筋注することを考慮すれば、リスパダールコンスタとゼプリオンは1ヶ月のべ投与量は同じということになる。
以下はインヴェガを内服している人の換算量である。
インヴェガ1日1回の服薬量では、
12mg>>ゼプリオン150mg(1ヶ月に1度)
6mg>>ゼプリオン75mg
3mg>>ゼプリオン25~50mg
である。ところで、リスパダール、インヴェガいずれも服用したことがない人は、ゼプリオンは使えない。その理由はアレルギーが出た場合、大変なことになるため。
このような人はこの2剤のうち、いずれかの薬の忍容性を確かめてから投与することになっている。治験では、リスパダール1日2mg以上または、インヴェガ1日6mg以上を4日以上続けて問題がない人に投与したようである。
ゼプリオンはすぐに準備して筋注できるキットのようになっており、プレフィルドシリンジと呼ばれている。このように高価な薬は1つずつ購入できる。だいたい、1つのキットで一番安価なものでも2万円近くするなんてどういうことよ。
特筆されることは、ゼプリオンは上腕の三角筋内にも筋注できること(リスパダールコンスタはできない)。そのため、キットには、三角筋用と臀部筋内用の2つの注射針が付属している。
三角筋内に筋注する場合、体重により注射針のサイズを変更する。
三角筋筋注のケース
90kg未満の人 23G 針の長さ1インチ
90kg以上の人 22G 針の長さ1.5インチ
つまり、体重の大きい人は太い針を使う。なお、1インチは2.5cmである。
臀部筋注のケース
22G 針の長さ1.5インチ
結局だが、体がかなり大きい人には、上腕でも太い針で十分と言うことであろう。
ゼプリオンはかなり安価に薬価が決まったため、同じ力価の場合、リスパダールコンスタに比べ、60%の薬剤費で済む。
これは非常に大きなメリットであり、1ヶ月に1度の筋注で済むことも含め、かなり使いやすい点である。同じ効果で副作用の程度も同じであれば、ゼプリオンの方が遥かに良いと思われる。
ゼプリオンが発売された国でも、リスパダールコンスタは併売されているようである。同じ系統の薬剤とはいえ、何らかの相違があるのではないかと考えている。
参考
ゼプリオン
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ゼプリオンの薬価
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