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医師の平日のお休み

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精神科病院勤務の医師は平日に半ドンないし休日がある病院が多い。

一般に、1週間に4.5~5日程度勤務する病院が多いが、病院によっては4日で良い病院もある。週4日未満だと常勤とは見なされないのが普通である。(週に4日未満だと、十分に患者さんが診られないのが現実)

従って、1週間のうち中央の火曜日、水曜日、木曜日のいずれかが丸1日休日かハンドンになっている。

週4.5日の病院では、例えば水曜日が休日だと、土曜日はハンドン、日曜日は休日ある。水曜日がハンドンであれば土日が休日になる。これは病院の方針でもあり、常勤医の勤務日数は概ね公平である。

この休日は、医師によっては大学病院などに戻り研究、あるいは後輩の指導をする人もいるが、他の病院でアルバイトをする人もいる。もちろん、遊んでいても問題ない。休日なのでどのようにしようが自由である。民間の精神科病院では、医師のアルバイトを禁じている病院は稀だと思われる。(そこまで制限すると募集が難しい)

このようなことから、土、日曜日の特に医師のスタッフはかなり手薄になる。土曜日に外来を開けない病院はその辺りの理由が大きい。

精神科病院は辺鄙な場所にあることも稀ではなく、精神科医を容易に募集できない病院がある。そういう病院は報酬を高くし、休日も多くして待遇を良くする。それでも募集は簡単ではないのが普通だ。

現在、特に地方では常勤可能な精神保健指定医は不足している。この理由はいくつかあるが、1つは近年、精神保健指定医が都市部に偏在していること。また、精神保健指定医がクリニックを開業する人が増えたこともある。また、女医さんが相対的に増えたことも無関係ではない。もちろん、高齢の精神科医が亡くなることによる自然減もある。

精神科・心療内科クリニックも、週の中ほどで休日を取ることが多いようである。おそらく、ぶっ続けで診療するのは疲れること、土曜日に診療するクリニックが多いからであろう。従って週4.5日程度、営業しているクリニックが多い印象である。

しかし細かいことを言えば、かなり勤務内容には相違がある。無床クリニックは外来のみの診療で入院は診ないこと。また、当直はない。

病院の場合、日曜日は誰か医師が当番していないければならないが、無床クリニックの場合、閉じておけば問題ない。従って、クリニックの患者さんで夜間、悪化した場合、夜間救急がある精神科病院か、輪番病院が診ることになる。この辺りはギブ&テイクになっていないため、近年、問題になっている。

自分が輪番をした印象だが、クリニックにかかっていて夜間悪化し、診ることになった人は意外に少ない印象。なんだかんだ言って、クリニックの患者さんは軽い人が多い。しかしたまには明らかに重い人もいる。そのような人は、最初からかかりつけ医は精神科病院にすべきだと思う。

クリニックではサラリーマンが定時を過ぎた後に受診できるように夜間診療しているところもあり、1日の勤務時間については一長一短あると思う。

クリニックを1人で開業している場合、高熱が出ていても診療しなくてはならない。ただし、そういうプレッシャー下では、人間は、案外、大病はしないものだ。最近の記事で「ここ15年くらい病気で仕事が突如できなくなったことはない」と記載しているが、風邪で発熱くらいはある。しかし、不思議なことに連休や自分の休日にしかそうならないのである。

全く、体の方がスケジュールを把握しているとしか言いようがない。

クリニックは入院患者を診ないので、ずっと外来を診ていることになる。たぶん自分はこれが耐えられない。外来だけの業務を続けることは、皆が考えている以上に大変なことだ。

また、クリニックの場合、夏休みなど長期の休日がが容易に取れないように思われるが、その気になれば取れるという話もある。クリニックを開業してもう長い友人によれば、その週に誰も予約を全く入れなければ大丈夫と言う。

また、自分のクリニックの近所に多くのクリニックなり精神科病院があることも大きい。全く気楽なものだが、患者さんは決して路頭に迷わないのは確かである。

一般に、精神科病院に勤務する精神科医の外来担当日は決まっている。たいていの病院では、医師により外来診療する曜日が決まっていて、毎日担当はしない。自分の場合、担当日以外にも結構な人数の患者さんが来院する。そういう日にも自分が病院内にいるのを患者さんは知っているのである。

担当日から患者さんが溢れ、他の曜日に来るのも考えモノで、あまりに多いと、回診や手のかかる入院患者の診察に影響が出る。おのずから限界というものがある。自分の場合、外来担当日でさえ、病棟に速攻で行きECTを実施する。その理由だが、自分の患者さんのECTは自分でしたいからである。

看護師やコメディカルスタッフに比べ、精神科医の就労時間が少なすぎるのでは?と思う人もいるかもしれない。しかし、医師は固定したスケジュールになっていることもあり、有給が全くないか、取れないのが普通だ。また、夜勤(当直)や日曜・祝日の当番、輪番なども廻ってくる。

例えば、輪番をした日、夜間に3名患者さんが来て、そのうち2名を入院させ、ほとんど眠ることができない事態になることがある。それでも翌日はお休みにならない。外来担当日なら、もちろん終日、外来もする。

あくまで自分の場合だが、その日は滅茶苦茶元気である。これは、1つは断眠療法でカラ元気が出ていることと、かなり忙しかったため、脳が興奮しているためだと思われる。

断眠療法の効果を体で実感するのであった。

しかし、いかんせん、夜になると疲れがどっと出る。疲れが出る方が自然である。

よく考えると、自分が輪番を担当した日、1名ないしそれ以上の患者さんが入院になることがあまりにも多い。これは若い頃からそういう傾向があり、悪魔的な引きの強さなどと言われた。

個人的な感想だが、輪番はかなり面白いと思う。まさに人間模様を目撃する感じで、興味深い体験も多いからである。

精神科医は、日々、このようなリズムで仕事を行っている。

参考
このブログを読んで、精神科医になりたいと思う人へ
精神科と心療内科は
自分は2度死んだので多分長生きしますよ
輪番で来院する患者
なぜ精神科医になったんですか?


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