一般に、健康な状態で急性ないし亜急性に生じたステロイドの過剰は、精神面に悪影響を及ぼす。クッシング症候群などはその例である。
しかし、基本的にステロイドは悪化している精神には有効なことが多い。健康な精神には有害だが、変調を来たしている精神には治療的なのである。
つまりだ、あらゆる精神疾患で、ステロイドで急場をしのげる可能性がある。(極めて重要)
長期的にはステロイドは副作用の多さの点で、長期の治療を要す精神疾患には実用にならない。
そのようなことから、ステロイドは短期決戦用の秘密兵器としてのみ有用性があると言える。
精神疾患に、ステロイドを使わざるを得ないことは滅多にないが、使ったときの切れ味は、感動モノである。
いつか急性期にステロイドを治療薬として選択し、その後、寛解に至った若い女性患者さんの例を紹介したい。(長くなるけどね)。
参考
謎の器質性精神病①及び一連の記事。
エストロゲンと精神疾患
J.F.ケネディ
ヘルペス脳炎
前立腺症の疼痛とミノマイシン
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精神症状とステロイドの関係
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