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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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家族歴を聴くと、家族のことをさっぱり知らない話

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精神科では、初診時にできる範囲で家族歴を聴取する。「家族歴」は、医師国家試験では、精神科に限らず、これが正解となるほど重要なことがある。

医師国家試験の5択問題で、「家族歴」とか「出身地」が正解になるのは、穴的設問である。(重要)

この時のやりとりで、その新患の様子や家族関係がかなりわかることがある。同伴している家族がいる時は、更に情報が増える。

親や兄弟のことを聴くと、年齢を全く知らない人がいる。

年齢は更新されていくので、何歳なのか即座にわからないのはまだ良いとして、生年月日を知らない。生年月日は生涯変わらないのに、

これって、どういうこと!

年齢を聴いて沈黙している人ですら、生年月日を尋ねると知っていることが多い。両親の生年月日を知らないなんて、どうかしている。

これは親子関係が薄いからなのか、無関心なのかわからない。あるいは、「連続的な注意力」が欠けてるのかもしれない。

母親から未成年の子供のことを聴取する際に、その子供の出産時の体重を憶えていないのは大問題だと思う。

このような母親だと、疾患性(つまりそれ自体が家族歴)が想定されるので、その後のいくつかの質問の答えも100%はアテにならないと考えておく。それもトータルで、精神所見なのである。

今回の記事はとても短いが、「家族歴や生活歴を聴取する」際に、既に主たる診察が始まっていることを指摘したい。


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