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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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ジェネリックの名前は処方ミスを起こしやすい話

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一般に、日本で初めて薬が上梓される場合、処方ミスを起こさないように、海外の製品名から変更されることは珍しくない。

例を挙げると、エビリファイなどである。エビリファイは海外ではアビリファイの製品名となっていることが多いが、日本で既発売のアビリットと似ているため、エビリファイとされた。

同様にジェイゾロフトも海外ではゾロフトが一般的である。トピナは海外ではトパマックス(成分名;トピラマート)と言われているが、日本のどの薬の商品名に似ているの即座に思いつかない。

マイスリーはアメリカではアンビエン(Ambien)、ヨーロッパではスティルノックス?(Stilnox)の商品名で販売されている。どのような理由でこれらが選ばれなかったのか不明だが、たぶん何らかの薬の名前に似ていたのであろう。

かなり以前はそのようなことが配慮されなかったため、比較的似ていると思われる薬もある。例えば、マイスリー(睡眠薬)とマイスタン(抗てんかん薬)などである。この2つは同じ向精神薬ながらカテゴリーが異なるので比較的ミスが生じないと思われる。

現在、国が積極的にジェネリックを使うように推奨しているため、処方箋は商品名ではなく成分名で処方することが多くなっている。

本来、成分名は個々の薬物の学術名なので変更することができない。そのため成分名が、かなり似ている薬がある。

最も似ていると思うのが、ゾピクロンとゾルピデムである。

ゾピクロンはアモバン、ソルピデムはマイスリーで、いずれも短時間タイプの睡眠薬なこともあり、記載ミスや読み取りミスが生じやすい。しかし㎎まで書くと矛盾が生じるのでわかりやすいが、院内薬局に1剤型しかないと、㎎までは記載しないので間違いやすいのである。

ジェネリックは製品名が考慮されていないために、処方ミスが多くなるとしたら、まさに「安かろう悪かろう」ということになってしまう。人為的に修正できるものであれば、そうすべきであろう。先発品は既にそういう風に工夫されているからである。

今回は、ジェネリックを処方するなと言う意味ではなく、ジェネリックの時代になると、そういうリスクをなるだけ少なくする方法も考えるべきではないかと言う注意喚起的なエントリである。

参考
アモバン、マイスリーと不眠症


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