入院患者に限らず、長期に薬物療法を行っている統合失調症の男性患者さんは前立腺肥大症が合併することがほとんどない。
ただし、既に老年期の人で、うつ病やうつ状態、てんかんのために薬物治療を始めた人には前立腺肥大症は合併することがある。もちろん、認知症も同様である。
前立腺肥大症の薬物治療の1つにα1ブロッカーがある。抗精神病薬にはこの作用を持つものが非常に多い(ほとんど全て)ため、若いうちから前立腺肥大症の治療を始めていることになる。
この図は非定型抗精神病薬の薬物プロフィールである。α1ブロッカーは、前立腺の平滑筋の交感神経α1受容体をブロックし、その結果、前立腺平滑筋を弛緩させ尿道の通過を容易にさせる。
また、古い統合失調症の男性患者の前立腺癌の合併も、全く経験がない。これはα1ブロッカー作用よりも高プロラクチン血症と関係があるのではないかと思う。
つまり、抗精神病薬の副作用の1つ性機能障害が、結果的に前立腺癌を抑制しているのではないかと。
ひょっとしたら、性機能障害が間接的にホルモンに関与し、発症しにくくさせているのかもしれない。
参考
リウマチの人は統合失調症になりにくいという謎
高プロラクチン血症
統合失調症の人の癌の罹患率
線維筋痛症と前立腺症
前立腺症の疼痛とミノマイシン
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統合失調症の長期入院患者に前立腺肥大症が稀な話
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