2016年12月にトピナのジェネリック、トピラマートが共和薬品から発売されている。今のところ、この商品を販売しているのは共和薬品だけのようである。共和薬品は包装などに「アメル」と記載され、これが目印になっている。
現在、本邦ではトピナはてんかんにしか適応がなく、また単剤処方もできない。
売上的には全世界で1位になるほど売れた時期もあるが、日本ではそこまで売れてないのであろう。したがって、今のところ複数のジェネリックメーカーからは発売されていない。(あるいは特許の関係で製法が難しいために多くの会社から発売されないこともある)
ジェネリックの場合、いくつかの会社から発売ていることが望ましい。その理由は、安定して供給できないジェネリックメーカーがあるからである。また、先発品メーカーは道義的責任もあり、会社の都合で突然供給を止めたりしないが、ジェネリックメーカーはそのあたりの縛りが乏しいためか、売れない場合、ドライに突如、供給中止することもある。
共和薬品はジェネリック大手なので、比較的そのあたりのリスクは低いように思われる。
トピナは先発品の薬価が高いが、今回の共和薬品の薬価は先発品の40~50%の価格帯のようである。
トピラマート25㎎「アメル」 28.8円
協和発酵キリンによる先発品 65.6円
トピラマート50㎎「アメル」 47.1円
協和発酵キリンによる先発品 107.8円
トピラマート100㎎「アメル」 76.9円
協和発酵キリンによる先発品 176.0円
生活保護の入院患者さんは処方薬の監査があり、先発品を使っていると指導を受けるが、監査の人が(医師なんだが)、ジェネリックがないか、あっても安定供給が難しいことを知らなかったりする。
一度、プロピタンについてジェネリックを使っていないことに注意を受けたが、プロピタンにはジェネリックが存在しない。監査をするからには、あらかじめ知識を付けておいてほしい。
東日本大震災の際に、リボトリールの供給が滞ったのは、1つはリボトリールにほとんどジェネリックがなかったことによる(1社かそれくらいで、供給能力が低かった)。