統合失調症はかつて早発性痴呆と呼ばれた歴史があり、いかにも認知症と関係が深いように思うかもしれない。
実際の臨床では、統合失調症の人は、狭義のアルツハイマー型認知症にほぼならないことに気付く。
なぜ「ほぼ」なのかというと、かつて1名だけ、アルツハイマー型認知症と十分に呼べる病態を経験したからである。滅多にないことだけは間違いない。
認知症っぽく見えるのは統合失調症からくる荒廃であり、アルツハイマー型認知症とはかなり異なる。
統合失調症とアルツハイマー型認知症では、遺伝子的に関わる範囲がかなり異なっているのかもしれない。