橋下徹氏が大阪市長だった平成24年に実施した職員に対する入れ墨調査は、その後、入れ墨調査を拒否した職員の処分を巡り最高裁まで争われた。
この裁判の結果だが、第一審の大阪地裁では、「社会的差別の原因となる恐れがある個人情報の収集を禁じた市条例に違反する」として違法とし、処分取り消しを命じた。
ところが控訴審と最高裁では違法性はないとし、市側の逆転勝訴に終わった。市は「「職員の入れ墨が市民の目に触れないよう、人事配置上の判断材料にするために行われた調査で目的は正当だった」と主張し、これが認められたかたちである。
橋本氏が激怒したのは、入職後、入れ墨をいれても市職員は容易にクビにできないことを知りつつ入れたことが感じられたからだと思う。
近年は、うっかり入れ墨を入れている人を採用しないために、それにポイントを置いた健康診断を受けさせる会社もあるようである。その理由は、おそらくだが、いったん採用した後、入れ墨をいれているという理由だけで解雇できないからだと思われる。
日本では、若いころにうっかり入れ墨を入れたために、職業選択の面で制限を受けることがある。制限されるのは、決して温泉だけではないのである。
参考