たまに、朝寝坊したので薬の飲まなかったという話を聴く。それで良いかどうかは精神疾患によるし薬の内容にもよる。
一般に朝寝坊した時は朝の薬はお昼に飲んでほしい。「じゃ、お昼の薬はどうするの?」となるが、昼の薬が元々ない人は昼に飲んでかまわないことが多い。(薬が朝だけとか朝夕の人)。
お昼の薬も服用している人はたいてい一緒に飲んでも良いが、糖尿病の薬なども併用している人は一緒に飲まない方が良いことがある。精神科の薬に限れば、朝昼一緒に飲むとまずい薬がすぐに思いつかない。
朝飲む薬はある程度限られており、統合失調症や双極性障害でない人は鎮静作用の薬を処方されていることは稀だと思う。たいした薬でない場合、面倒ならその日は飲まないでも良いものもある。(たとえば、ソラナックスやワイパックスなど)
コンサータなど朝に飲むべき薬はギリギリお昼くらいなら飲んでも良いと思う。実際、朝1回コンサータを服用する人のうち、夕方~夜にかけて効果切れを実感する人がいて朝、昼2回に分けて飲んでいる人もいる(多くはない)。
朝、カンフル剤的に飲んでいるエビリファイなどは朝忘れたら昼でもかまわないが、長期に飲んでいる人はその日は飲まなくても、気づかない人もいそうである。
朝寝坊でたまにお休みはまだ良いとして、これが慢性的に続くと、絶対的な薬の量が不足して波乱要因となる。実際、退院患者の数か月後の服薬状況は良くない。
朝寝坊でうっかり忘れる以外に、風邪やインフルエンザにかかり、内科薬を貰っていたために精神科の薬を中止していたというものがある。これはクラリスなど一部に併用すると著しい影響があるものがあるが概ね併用できることが多い。これは主治医か薬剤師に併用は大丈夫か聴くべきである。(クラリスとベルソムラは併用禁忌。CYP3A4阻害のため。その他、あまり使われなくなっているが、オーラップもクラリス併用禁忌)