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ロナセンテープ発売について(概略)

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来月中旬頃、大日本住友製薬からロナセンテープが発売される見込みである。まだ薬価は決まっていないが今週中には発表されるらしい(2019年9月中旬発売)

 

抗精神病薬の貼付剤は世界で今回が初めてと言う。精神科ではおそらく貼付剤はリバスタッチパッチ(イクセロンパッチ)が最も処方されていると思われる。なお、ニュープロパッチは主に神経内科で処方されている。

 

ロナセンテープの剤型は20㎎、30㎎、40㎎の3つ。目安として概ね5分の11日服薬量となる。

 

20㎎テープ=14㎎服薬

30㎎テープ=16㎎服薬

40㎎テープ=18㎎服薬

 

処方開始量はなぜか40㎎剤型からである。この用量はやや多い人もいるように思えるが、錠剤のように少量から漸増するタイプではないらしい。最高80㎎まで処方できるとあるので、12枚貼るのでしょうなぁ、多分。

 

貼付剤の良い点は門脈を通らずそのまま脳に入ることである。門脈を通過すると肝臓の酵素で処理されてしまうため薬効の出現の仕方の個人差が大きくなる。このメリットはリスパダールコンスタやエビリファイLAIと同じである。

 

このタイプの貼付剤の中にある薬は、1日貼った後、捨てる際も95%くらい残遺しているという。それでも1日貼ったら交換する。これは薬効的にこのように設計されていることもあるが、貼付部位の皮膚の荒れも毎日交換した方が酷くなりにくいと思う。

 

リバスタッチパッチは処方する側から診るとかなり皮膚炎が起りやすいが、ロナセンテープはリバスタッチパッチほどではないと言う。約20%程度である。

 

ただし、ロナセンテープはサイズ的にリバスタッチパッチよりかなり大きい。20㎎剤型はまだ良いが剤型が大きくなるごとに大きくなり、40㎎製剤は湿布剤程度に大きい。(いつか見本をアップしたい)

 

ロナセンはそこまで汎用されていないこともあり、このテープ剤がどの程度処方されるのか見当が付かない。

 

リスパダールコンスタやエビリファイLAIは服薬遵守という視点で通院している限り間違いなく体の中に入っている。今回のテープ剤はこれら持続性抗精神病薬ほどの確実さはなく、概ね錠剤と同じと思われる。

 

一般的に錠剤に比べいきなり門脈を通らないタイプは副作用が軽減される傾向がある。つまり効果の発現がマイルドになる。

 

そのようなこともあり、ロナセンを服薬せざるをえないが、どうしても微妙に副作用が出て困る人はテープ剤に変更してみるのも一考だと思う。

 

現在、抗精神病薬は2剤制限があるものの特例扱いでリスパダールコンスタなどの持続性抗精神病薬はこの2剤制限に入らない。

 

従って以下のような処方があるかどうか知らないが、外来で3剤まで処方できるのである。

 

エビリファイLAI 300㎎(月1回)

および

クエチアピン 300

インヴェガ  3

 

しかしながら、ロナセンテープは経口剤と同様の扱いになり処方した場合、他の内服タイプの抗精神病薬は1剤まである。

 

現在、自分の患者さんでは、外来、入院ともリスパダールコンスタ、エビリファイLAI、ゼプリオンを処方している人が1名もいない。使わないでもコントロールできることが多いからである。

 

ロナセンテープが持続性抗精神病薬扱いにならないのは、錠剤のように毎日処方する(交換する)からだと思う。

 

おそらくロナセンテープとロナセン(内服薬)は併用できると思われる(特に用量調整)。またこのケースでは1剤の扱いになると思う。

 


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