過去ログに、精神科に限らず医療全般には記憶は重要と言う話が出てくる。
患者さんに、あの薬を使ったらどのような経過を辿り、いかなる結果になったかが臨床経験となり、その積み重ねがそれ以降のデータベースとなる。脳内のデータベースはあらゆる治療局面での判断材料となるのである。
同時に、副作用の出方やその経過も重要である(例えば脱毛が出た際、中止後、副作用の消失までの期間)。
その意味とは少し異なるが、特に薬物治療の場合、
知らないものは試みることすらできない。
というのも大きい。例えば、カタプレス、デパケンシロップ(デパケンR)、エビリファイなどの使い方である。
少し難しいのは、薬は同じ人でも効かない時期(病期)があること。今使ったら、いかなる薬も失敗に見えそうというのがある。
だからこそだが、一見失敗に見えるが、保留すべき事象ももちろんある。それも含めて、臨床経験と言える。
トピナなどは最初、10人に使って1名くらいしかうまく行かなかった。しかし、今は同じ結果にはならない。当時は、トピナを使いこなせるとは到底思えなかった。
トピナを見ていると、薬物というものは、
有効率の高さのみに価値があるわけではないのがわかる。
参考
トピナのテーマ
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知らないものは試みることすらできない
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