精神科薬で、もしあったら良いと思うものがある。
以前(2010年頃)は、プロピタンの筋注製剤があれば、治療をするにも随分助かると思っていた。これは今でさえ思うが、できればプロピタンの持続性抗精神病薬があればなお良い。持続性抗精神病薬があれば、プロピタンの筋注製剤はそこまで必要ない。
プロピタンは今でも内服薬があり不足しているという話は聴かない。なお、このブログにはプロピタンのテーマもある。以下はリンクを抜粋。
ここ5年くらい、もしあったら便利だろうと思う精神科薬は、ジプレキサの持続性抗精神病薬である。ジプレキサの持続性抗精神病薬は海外にはあるかもしれないが、日本では短期型の筋注製剤しか発売されていない。
メジャーな非定型抗精神病薬3剤、リスパダール(インヴェガ)、エビリファイ、ジプレキサのうち、持続性抗精神病薬がないのはジプレキサだけである。
これはイーライリリーがやる気を喪失してるのではないかと。おそらく推測だが、アメリカで副作用(処方後に発生した糖尿病など)で夥しい件数の訴訟を抱えてしまったことと関係がありそうである。イーライリリーは、訴訟のため12億ドルを支払ったとされている。
副作用を考慮すると、持続性抗精神病薬はすぐには中断できないため、この製剤の発売に消極的になるのは理解できる。
しかし、ジプレキサはかけがえのない(似ている抗精神病薬などないという意味で)非定型抗精神病薬なので、持続性抗精神病薬はあった方が良い。
トータルではジプレキサの持続性抗精神病薬とプロピタンの(注射剤及び持続性抗精神病薬)の2つのうち、僕があった方が良いと思った件数を考えると、プロピタンの方が上回る。これはあくまで個人的な考えである。
そもそも、今はプロピタンとかトロペロンは院内の在庫どころか、院外薬局にさえない病院もそこそこあると思う。
院内や外来患者に使われない薬は薬局に置かないからである。
参考