こちらが指示していないのに、2~3日ごとに再診する人。(稀ではあるが)。
ある女性患者は、診察室で急に泣き出すなど不安定なので、自主的に頻繁に再診しているように見えた。処方は7日ごとである。普通、精神科医が7日分処方している場合「7日後に来なさい」と言う意味である。
何も指示していないのに2~3日ごとに再診している人に、「なぜ2~3日ごとに再診しているですか?」なんて聴けない。また「貴方は1週間ごとに来院すれば良いです」とも相当に言いにくい。
レセプト的なものを言えば、普通は1週間に1度しか通院精神療法はとれない(退院直後は別)。だから処方なしで診察だけ受けた場合、受付で支払う診察代はかなり安い。
しかし2~3日ごとに再診していると、次第に精神面も安定してきて2週間ごとに再診すれば十分に思えるようになる。精神科の診察はそういうものだ。これは過去ログにもそのような記事がある。
情緒が安定してきても、最低3~4日ごとに再診する。これはその患者さんが、他の患者さんの受診状況がわかっていないのもあるように思う。
ちょっと思ったのだが、このような人って、話すネタがなくなることはほとんどないような・・むしろネタに困るため、家族のこととか子供の頃のことを聴いたりするので、偶然マイルストーンを発見したりする。
色々とこちらも気付くことが多い。このような人は頻繁に来るだけに、こちらも細かい変化がよくわかるので、週の途中でも本来はしないような薬の追加をすることもある(まだ処方が残っているのに・・)。
何もない時は5~10分くらい話してそれで終わり。医師から見てもたった5~6分しか話さないのに、また来るというのがいまいちわからない。その人の家から病院が近いわけではなく、普通なら面倒になると思う。愛着の問題なんでしょうなぁ・・くらいに考えていた。
このような人は突然、処方日数通りに来院するようになる。これは良くなった証と言える。しかし「あの人、来なくなったなぁ・・」と思っていると、季節の変わり目などに少し調子を崩したような際、また数日ごとに再診するようになった。この繰り返しである。
あれはセルフ・コーピングみたいなものなんだろう・・と思った。
何年も経つと、2週間とか1ヶ月ごとに再診するようになり、通院間隔が一定になるのである。
実は、これは彼女だけでなく、パターンは違うが同じような人たちが随分いることに気付く。精神科での単に「話すこと」には謎が多い。全くしょうもないことを話していたとしてもだ。
参考
病院には来れば来るほどそれに比例して良くなる
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2~3日ごとに再診する人
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