子供の頃、夏にはラムネが1箱ごと買ってあり、よく飲んでいた。
今から考えると、ラムネは分厚いビンの形状から、見かけほど中味は多くなく、水分を取りすぎないのは良かったと思う。
ある時、母親に1本いくらなのか聞いてみた。その答えだが、
なんと、6円!
これはもちろん中味だけの値段である。子供心にその安さに驚愕した。実は、本当に6円だったのか自信がないのだが、10円までしなかったのは確かである。
ラムネは解決しない謎がいくつかあった。それはラムネの製法である。ラムネのビンは回収されており、お店に空瓶を持っていくといくらか忘れたが、お金をくれた。だから、年季の入った瓶は飲み口に欠けた跡がいくつもあり、注意しないと唇を切る恐れもあった。
ラムネの瓶は何度も繰り返し使われるようなのである。子供の頃、考えていた2度目以降の製法は、
新しいラムネを入れ、すかさず逆さまにし、強力な陰圧をかけてビー球で塞いでしまう。炭酸が入っているので内側からも押してくれる。
と言ったものである。もちろん自信がない。今も謎のまま。
だいたい、最初からラムネの瓶の中に飲み口より大きい?直径のビー球が入っていること自体が手品のようであった。これは後年、謎が解けている。もともと、ラムネの瓶の口径はビー球より大きかったのである。ビー球を入れた後、入り口の部分を熱で軟らかくして狭めるらしい。
ラムネの瓶は手が込んだ造りで、想像性、芸術性にあふれた作品と言える。
ラムネはファンタやコーラに比べ、くどくないお味で、日本らしい清涼感があったと思う。
民間の精神病院では、今でも夏祭りなどで、よく「ラムネ早飲み競争」をしている。
しかし昔のラムネとは、ビー球こそ入っているが形状が異なっており現代風になっている。
参考
精神科病院の夏祭り
ALWAYS 三丁目の夕日
↧
ラムネ
↧