患者さんを治療中に、その人の見通しが素晴らしいほどわかることがある。
例えば、何らかの薬を使った直後、その患者さんが自分の方を向いて、何か言葉を発した瞬間などだ。
たいていの場合、その時は酷く悪い状態なことが多い。だから、その瞬間が保護室だったりする。
これは科学的には変な話で、普通、特に内服薬の場合、投与した直後に良いかどうかなどわからない。アテにならないとも言えるが。
つまり、「特殊感覚」は理屈ではないのである。
そのような特殊感覚に包まれた時、横にいる看護師さん(婦長や主任クラス)に、
彼女(彼)はきっと良くなりますよ。
と言うことがある。その時、診たままだとあまりにも悪いため、
え?
そうですか?
くらいの返事が返ってくる。
それと同じような感覚は、実は仕事以外の別な場面でもあることがある。しかし、仕事の時もそうだが頻度としては滅多にない。
特殊感覚は稀な体験だが、そう思うときは間違いなく思ったとおりになるのである。
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特殊感覚
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