独身の頃、あるコメディカルの女性スタッフから、
「先生、こういうことに悩んでる?」ってことはないですか?
と聞かれた。当時、このような質問には慣れており、明るく、
夕食をカレーにするかどうか迷っている・・
と答えた。これは彼女の期待に応えた形である。本田選手のPKのように・・
しかし、本田選手のプレッシャーとは比べられないので、同じレベルで言うのは本田選手に失礼である。
中田英寿選手は初年度のセリエAに在籍したペルージャで、ほとんどのPKを任されていた。これは、イタリア人がプレッシャーで外しやすいので、誰も蹴りたくなかったのもあったと思う。
なんと、中田は1シーズンにわたり、PKを外したことがなかった。
ホームでのフィオレンティーナ戦、後半ロスタイムでペルージャはPKを得た。スコアは0-1で負けており、それがが決まれば同点となる極めて重要なPKである。
中田はそのPKを難なく決めた。負け試合を1-1で終えられたのである。翌日のイタリアのサッカー専門紙は、
95分に同点のPKを決めるのは容易なことではない。
と非常に高く評価していた。一般のリーグ戦でもそうなのである。まして、ワールドカップを決めるPKが楽なはずはない。
あれは、本田選手の精神力が決めたような気がする。今回のワールドカップ予選は、戦力的に下り坂のようなコンディションで後半戦を戦ったので、実際の戦績ほどは楽ではなかった。
昨日の試合、特に良かったのは、後半ロスタイムのコーナーキックを平凡に蹴りこまず、ショートコーナーにしたこと。
これが波乱を生んだ。あの場面だと、マイクもいるし蹴りこみたくなる状況なのである。後半ロスタイムで時間もない。
しかし、試合を観ているとわかるが、日本人選手比べオーストラリアの選手は圧倒的に体格で勝っており、蹴りこんでもヘディングでクリアされる可能性が極めて高い。ショートコーナーにして大男の間隙を抜く低いパスが、偶然、ハンドを生んだ。あのハンドは故意ではないかもしれないが、すぐ後ろに香川がいたこともあり、大抵の審判はPKを取る。
あれに比べると、オーストラリアでのアウェーのPKの方がずっと奇妙だったと思う。
とにかく試合終了7分前くらいに、ほとんどの日本人が、「この試合はもうダメかも・・」と思った直後の同点劇だったので、より感動的なワールドカップ出場を決める試合になった。対戦相手が、宿敵のオーストラリアだったのも最高である。
サッカーの日本代表は、前回ヨルダン戦の敗戦及び遠藤のPK失敗、親善試合のブルガリア戦の敗戦も含め、なかなかの役者である。
一緒に観戦した嫁さんの話では、ジョホールバルで日本代表が初めてワールドカップを決めた直後、僕が大喜びし、嫁さんに5万円くらいお祝い金をやったらしい。(←意味不明)。
しかし、僕は全然覚えていない・・
とにかく、あのジョホールバルの事件から、日本はワールドカップに5回連続で出場し続けているのである。
ドーハの時はショックを受けた。(過去ログ参照)
あの時は、後半ロスタイムにイラクがコーナーキックをショートコーナーにしたために悲劇が起こった。当時はロスタイムは何分と示されていなかったため、ショートコーナーにした瞬間に笛が鳴るかもしれない状況である。だからこそ、同点劇が起こったのである。
昨日の試合は、ドーハの悲劇のアンサーとなるような試合だったと思う。
最初の話に戻るが、僕は学生の頃から、あまり悩みなどないように見えるらしく、人に同じような質問をされることがよくあった。
しかし、今はもう10年以上院長を続けているので、悩みがないはずはない。しかし、そういう風に見えないらしい。
僕は、基本的に楽観主義者なんだろうと思う。
参考
患者さんは主治医以上には良くならない
オフサイド・ガールズ
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「先生、こういうことに悩んでる?」ってことはないですか?
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