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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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同じ病院内で主治医交代できないルールの病院

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いつだったか、患者さんに聞いたこと。

入院時、院内で主治医交代ができないルールの病院があるらしい。

良く考えると、この方針も理解できないわけではない。簡単に主治医交代できると、まとまりのある治療がしにくくなる。また、1名の精神科医に担当患者が集中することもありうる。これは困ることである。

うちの病院は、特別に希望すれば、主治医交代は可能である。他の病院に転院して治療したい時も、紹介状は書くことが多い。自分はそうしているが、他の医師も同様であろう。

他の病院に転院希望でも、荒唐無稽なものは応じない。例えば、「北海道の○○病院に転院したい」というもの。嘘みたいな話だが、そういう希望があるのである。

これは家族の面会すら容易でなく、家族ももちろん反対するような事例である。また転院したい理由も意味不明なので、周囲の意向が優先される。

ただし、この場合、任意入院から医慮保護入院に、こんなつまらないことで変更しなくてはならないのが難儀である。(医療保護入院だと書類が増える)

うちの病院は、主治医交代の希望は受け付けるが、再び元の主治医に戻ることは受け入れていない。つまり、主治医交代は一方通行である。(元々、院内の主治医交代の希望が滅多にない)。

この理由だが、精神科だけに、自分の患者を他の医師に頼むのは非常に辛いことなのが大きい。

そこまでして主治医変更したものを、また戻りたいという希望を簡単に受け入れると、その医師に大変失礼だし、侮辱しているとすら言える。だから戻れないのである。

今でも自分の担当患者は院内、外来とも最も多い。だからといって、普通は患者さんが多いからと言う理由だけでは、他の医師に担当変更しないものだ。たまに、新しい精神科医が入職した場合は別で、特殊な機会に限られる。外来患者はそのような際も主治医変更しない

このように見て行くと、精神科の場合、タイトルのように「院内で絶対に主治医変更できない」というのは稀だが、少なくとも主治医交代は容易でないことがわかる。

精神科では基本的に、初診時に診察した人は、ずっと外来であろうが入院であろうが、継続して診るという原則のようなものがある。これは大学病院など特殊な環境を除けば、一般の単科精神病院ではあまり差がないと思う。

参考
3人の入院
他病院から来た患者さんに主治医の名前を聞く
精神科の主治医制について
内科に転院したいと言う希望


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