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2013年、J1昇格プレーオフ(準決)

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いよいよ、12月1日、J2の昇格プレーオフ(準決)が行われる。

J2は現在、3チームがJ1昇格するが、2位までの2チームは自動昇格、あと1チームは3位~6位で昇格プレーオフにより決定される。既にガンバ大阪とヴィッセル神戸は昇格を決めている。

昨年は、6位だった大分トリニータが大番狂わせで昇格を果たした。なお、昨年の3位は京都だったが、準決勝で千葉にあっさり敗れ、前年であれば自動昇格できたのに、ルール変更のため昇格を逃している。今年の3位も同じ京都なのである。

2013年J2リーグ戦最終結果
3位 京都
4位 徳島
5位 千葉
6位 長崎


この4チームの共通点は、いずれも監督が比較的良いことであろう。勝ち上がりのルールだが、3位と6位、4位と5位が上位チームのホームで一発勝負を行い、成績上位の優位性を維持するため、同点で試合終了した場合、延長せず、上位チームが勝ち上がりとなる。昨年の場合、成績下位のチームがいずれもアウェーで勝ち上がるという予想外のことが起こった。アウェーでしかも同点でも敗退と言う大不利のため、かえって思い切った戦術が取れるという話もある。

この準決勝の後、1週間後に中立地の国立競技場で決勝が行われるが、この試合も同点の場合、リーグ戦の成績上位チームがJ1昇格となる。

今年のJ2も試合終盤で劇的な結末があった。最終節、京都は既に3位を決めていたが、4位から8位まで昇格の可能性が残る状況だった。

最終節の前節までの順位と勝ち点
3京都 70
4長崎 66
5千葉 65
6徳島 64
7札幌 63
8松本 63


このように、特に4位から8位は1年間戦い、たった勝ち点3しかなく戦力差はあまりないのである。

そして最終節は、

京都vs栃木
長崎vs徳島
鳥取vs千葉
札幌vs北九州
松本vs愛媛


の対戦となった。重要なのは、6位以内の長崎と徳島の直接対戦があり、その結果どちらかは勝ち点が1以下に終わるため、札幌はホームで勝ちさえすれば6位以内が確定する。ここでは示してないが、同じ勝ち点で8位の松本は得失点差がきわめて不利なので、勝っても6位以内に入れない可能性が高いのである。

千葉はアウェーとは言え、既に最下位が決まっている鳥取相手だったので、勝利し比較的楽に6位以内のプレーオフ圏内に入れると思われた。

最終節が始まる直前、既に3位が確定している京都を除けば、千葉と札幌と長崎が有利と言えた。しかし、この3チームに限っても、1チームはプレーオフ圏内に入れない。

徳島は始めから決まっていたことではあるが、最終節及び最終前節の2試合がアウェーと言う不利な日程だった。前節は東京Vに引き分けており、最終節、アウェーで長崎に勝たないとプレーオフ圏内に入れる確率がとても低くなる状況だった。長崎はホームで引き分けで良いのである。(引き分けで、6位から8位のチームが追いつけないため)

この日、長崎vs徳島の試合が最も面白いと思ったのでテレビ観戦していた。前半から長崎はきついプレスで徳島にスキを与えず、攻め込む場面が多かったが、得点までは至らなかった。前半で、なんと徳島はシュート数がゼロだったのである。

徳島の小林監督は後半からシステムを変更し、シュートの場面を少なくとも前半よりは多く作るようになった。そして存在感がなかったエースの津田を下げて、ベテランの斉藤に交代させたのである。これは結果的に、絶妙な、驚くような采配だったと思う。

この斉藤が入った直後くらいから、徳島のボール回しに落ち着きが見られるようになり、後半20分過ぎ、偶然のような得点が入った。あれは見ていて不思議なゴールで、決勝点を決めた宮崎光平は、ひょっとしたらボールを空振りしたか、あるいはかすったくらいだったかもしれない。後方から来たパスがイレギュラーバウンドし、そのまま、ゴールに入ったのである。このゲームの詳細だが、長崎の17のシュートに比べ徳島はたった4しかシュートがない。それでも勝利し4位に滑り込んだのは、監督の力によるところが大きいと思う。

千葉は伝統的に強いチームに強く、弱いチームに弱い、J1で言うと、以前の名古屋のようなチームカラーである。とはいえ、まさか鳥取に0-2に押し込まれるとは思ってもいなかったであろう。鳥取は、この試合は勝とうが負けようが、讃岐との入れ替え戦を次週に戦うのは決まっていたからである。

最下位の鳥取は前半から千葉に対し圧倒的に攻め、2-0までリードしたが、イエローカードないしレッドカードを貰うのを恐れ、選手交代したため終盤に流れが変わってしまった。それでもサッカーはそうそうゴールが決まるスポーツではなく、後半36分まで得点できなかった。

後半残り10分くらいで得点したのはイタリアから帰国した森本貴幸である。彼は中学生くらいからプロになり東京ヴェルディで活躍後、18歳でイタリアのカターニアに移籍した。得点もそこそこ決めていたが、大活躍したとは言い難い。彼はまだ25歳なので、今J2で戦っているのが不思議なほどの選手なのである。森本が得点した後、千葉は息を吹き返し、後半ロスタイムに兵働昭弘が大砲のようなボレーでの同点ゴールを決めたのである。千葉のサポーターはあの試合は一生忘れられないほどのインパクトがあったと思われる。

2点目は凄いゴールだが、森本のゴールこそ、起死回生のゴールといえる。(サッカーは1点取るまでが大変)

千葉は同点だと勝ち点が66まで伸びるので、得失点差が大きいこともありほぼプレーオフ圏内が確定する。そういうこともあり、同点後は勝ち越し点までは狙わず、そのままゲームを終わらせている。

札幌は、番狂わせと言えるホームでの引き分けを喫し、ほぼ掴みかけていたプレーオフを逃した。松本は、あの千葉の兵頭の同点ボレーシュートが決まるまでは6位だったが、千葉のロスタイムの同点ゴールのため、7位に落ち、プレーオフを逃している。

最終節の結果
長崎0-1徳島
鳥取2-2千葉
札幌0-0北九州
松本1-0愛媛


サッカーはいかにやってみないとわからないかがよくわかる。

2013年シーズンの8位までの順位は
3京都70
4徳島67
5千葉66
6長崎66

7松本66
8札幌64

この結果、12月1日のプレーオフ準決勝の組み合わせは、

京都vs長崎(西京極)
徳島vs千葉(鳴門大塚)


となった。千葉は奇しくも昨年と同じ5位である。何が悲しゅうて、得失点差がプラス19もあるのに5位に終わるのかが謎だが、千葉は強豪だが、弱いチームに足元をすくわれやすいのである。だから、同じような成績でも他のJ2のチームに比べ、千葉はJ1でもそこそこ戦える可能性が高い。

京都は今年も昇格を逃したら気の毒だが、来年はここ数年でも飛びぬけて戦力が低い3チーム(大分、磐田、湘南)がJ2降格するので、おそらく自動昇格を決めると思われる。千葉にしても今年はやや難しいとしても、京都が昇格すれば、来年は自動昇格も十分狙えると思う。

なお、国立競技場のプレーオフ決勝戦は海外でも放映されることが決まっている。J1昇格プレーオフはJ2中位のチームのモチベーションを上げ、また観客動員のプラスの効果を含めても、大成功だったと思う。

Jリーグは29日、J1昇格プレーオフ決勝(12月8日・国立競技場)が初めて海外でテレビ放送されることになったと発表した。香港、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、米国のテレビ局と、中国のインターネットテレビ局で放送される。(共同)

一方、来年からJ3のカテゴリーが発足するが、今年のJFL2位の讃岐と鳥取の間で、J1プレーオフと同じ日程で、入れ替え戦も行われる。時間帯が1時間かぶっているのが意味不明で、何を考えているんだろうと思う。入れ替え戦は午後1時から、プレーオフ準決勝は午後2時からなのである。

讃岐vs鳥取(県立丸亀競技場)

鳥取は不調だったとは言え、驚異的な低勝率の状況で、しかも現在の監督に代わって以降、1度も勝っていない。このような入れ替え戦はやってみないとわからないが、戦力的には鳥取の方がたぶん上である。しかし、サッカーは良い選手を揃えれば勝てるとは言えない上に、このようなプレーオフでは、下のカテゴリーで勝利経験の多いチームの方が若干有利のように思われる。

讃岐が入れ替え戦にまわったのは、JFLで1位ではなく、2位で終わったからである。なお、1位は長野であった。12月8日には鳥取のホームで第2戦が行われるが、アウェーゴールが採用されているため、ひょっとしたら、同点のまま延長戦やPK戦まで行われる可能性がある。

参考
2012年J2 第41節
J2の面白さ
徳島ヴォルテスとエビリファイ


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