今年の8月末頃、スボレキサントという全く新しい機序の眠剤が発売されるらしい。これはメルクにより創薬され、日本ではMSDにより販売される。
これは、覚醒状態の維持に深い関係を持つオレキシンを標的とするオレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる。なお、オレキシンはナルコレプシーに関係が深いので、興味がある人は調べてみると良い。ナルコレプシーはオレキシンが欠乏しているのである。
スボレキサントは、入眠や睡眠維持が困難な患者の睡眠を改善する。安全性や忍容性も優れており、投与を中止しても反跳性不眠や退薬症候群はほとんど出現しないらしい。
スボレキサントはノンレム睡眠を増加させる(簡単に言うとより深い睡眠を増加させる)。ただし、うつ状態には効かないという。
スボレキサントは一般名であり、たぶんだが、商品名は未定なのだろう。今回、凄いと思うのは、このスボレキサントが発売されるのは、世界で日本が初めてということ。普通、日本の製薬会社の創薬ですら、海外で最初に発売されることが多いので画期的なことである。日本で創薬され、日本でしか発売されないものもある。(ルーランのように)
世界で初めて発売されることは、日本でベンゾジアゼピン系眠剤が多く使われていることと関係があるのかもしれない。
今日のエントリは続きがある。(明日アップする予定)
参考
アモバン、マイスリーと不眠症
抗うつ剤と睡眠
ロゼレム
ロゼレムとベンゾジアゼピン系眠剤
↧
スボレキサント
↧