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精神科医は、一生独身というのはダメ!

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今日のタイトルはいったい何だろうと思うかもしれない。これは僕が研修医時代に言われた、

オーベンのありがたいお言葉。

僕のオーベンはおそらく指導した研修医は自分が2人目だった。このブログには、今までに色々な言葉を断片的にアップしているが、この話は、医療にあまり関係がない場面で出てきたと思う。この言葉(教育的指導)に対し、質問するのもなんだか変なので、僕は黙っていた。

ずっと結婚しない精神科医は、皆に変人なのがバレるから。(笑)

彼は続けてそんなことを言ったが、実はいろいろな意味があり、例えば、過去ログの「精神科医は離婚を勧めてはならない」のように、

未婚だと、夫婦の当事者の気持ちが十分に理解できない。

ことも関係ありそうである。また、あまりに早く結婚することもあまりよろしくないらしい。その時、研修医になったばかりだったので、これは学生結婚のことを言っていると思った。

彼は面白いことをたくさん話してくれた。実は、それが厳密に正しいかどうかはあまり問題ではないんだと思う。しかし、研修医の耳にはずっと残っていて、それが自分の人生や診察の場面で微妙に影響している。

そういえば、作家の佐藤愛子も同じようなことを言っている。彼女はエッセイの中で、次のように語っている。

女は独身でいるよりは、たとえ失敗しても結婚した方がよい。忍耐だけで成り立っている結婚生活をしているよりは、別れた方がよい。別れて1人で無理な頑張りようをしているよりは再婚した方がよい。ものごとに「こりた」などという考えはよくない考えである。自分はこうだからダメだときめてしまう考え方もよくない考えである。(「三十点の女房」から)

ある時、既に退職した男性を治療していた。彼は退職当時、奥さんの方から離婚を言い出されて離婚してしまっており、婚活していた。

その後、ひょんなことから、彼の奥さんを治療することになった。どのような経緯だったかよく覚えていない。その元夫は入院させずに治療がうまく言ったが、奥さんの方は不安が強く、夫よりは重いようなので本人に薦めて1~2か月入院させた。

つまり、既に離婚していた2人を同時に並行して治療していたのである。

彼女は入院前に他の病院で治療中であった。薬に弱いため、たいした薬を飲んではいなかったが、その薬も全然噛み合っていなかった。

入院後、少し薬を変更したものの、彼女は今でも大した量は服用していない。彼女はずっと元気になり、なんと元夫と復縁したのである。

復縁について相談された際に、僕はそれが良いとも悪いとも言わなかった。その理由は、彼女から、なぜ、どのような理由で離婚を決めたかさえ、聴いていなかったからである。

最近、漠然と、どうですか?と聞いてみた。彼女によると、

(夫は)離婚前よりずっとやさしくなった。

と言う。今は一緒に生活していて楽しいことが多いらしい。僕は、

それは、いろいろ婚活してみて、ずっと気が付かなかった奥さんの良さがわかったのでしょう。

とだけ言った。

僕は、やさしいとかやさしくないは、外から見ただけではわかりにくいと思っている。

参考
患者さんに離婚を勧めてはならない
人の判断に興味がある
非定型精神病の人の彼氏
大スランプ


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