ある時、リフレックスとリボトリールでコントロールしていた婦人がいた。その処方は、
リフレックス 7.5㎎
リボトリール 0.25㎎
と、いずれも最少用量の剤型の半分だった。この処方は、入院時に調整してこの量に定着したものだが、忍容性があまり高くないので、これくらいの用量でも十分に有効だった。僕の患者さんには、軽いうつの人でこの組み合わせの人が数名いる。
本人への説明だが、もともと薬に弱いし、完璧にしようとするとやりすぎになるので、これで様子を見ましょうと言った感じだった。
若干、社会不安障害のような症状もあるが、これで十分に外出もできていた。
今年の秋は、遅い台風が来たりと不安定で、急に寒くなった感じである。ある時期、少し不安が増したようで、調子を落としているように見えた。
やはりこの量では、季節の変わり目など、不安定な時期がないわけではないのである。
もともと、盤石というか、すこぶる良いようにはコントロールしていないのである。(本人にもそう言っている)。それでも以前の病院での治療に比べ断然よいので、本人は満足していた。
そこで、リボトリールを0.5㎎まで増量することにした。もちろん本人も了解している。増量したといっても、元々が最少剤型の半分なわけで、ここから忍容性を考慮しても増え続ける状況にはない。
リフレックス 7.5㎎
リボトリール 0.5㎎
この量でピッタリだったのである。このくらいの処方の人は服用感がほとんどない人が多い。夜に1度に飲んでもらうことが多いのもある。
「完璧にしようとするとやりすぎになる」くらいの感覚で少なめに調整していると、いざとなった時にも酷い処方にならない。
そこが良い点だと思う。リフレックスは年配の人には非常に良い薬だと思う。その理由は、食思を増すし睡眠も改善するからである。
参考
季節
少量薬物療法の功罪
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もともとすこぶる良いようにはコントロールしていない
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