アルコール依存症の人は、ある時、思い立ち、断酒を決断することがある。今回の記事は、この決断を否定するものではないことを最初に記しておく。
この断酒の状態が長く続けることができれば、断酒会参加も可能である。断酒会は、節酒(つまり著しく飲酒量を減らしている)の人たちはいないことになっている。
一般に、アルコール依存になると、全か無かの状況になるので、少ない飲酒で安定して生活することなんてできないのである。それができるくらいなら、アルコール依存とは言えないことの方が多い。(特殊な例として、あまり飲酒しないが、飲酒すると必ず飲酒運転するとか、盗みを働くような人たちは、断酒しないと話にならないので、広い意味でアルコール依存症圏と言える)
本人が「断酒を決断する」いうのも精神症状の1つである。また、それがたいていの場合、長く続かない。
断酒が破綻するきっかけは、極めて些細なものが多く、たとえば「娘の結婚式に出席し来賓の人たちの勧めの酒を断れなかった」とか、なるほどと思わせるものもあるが、結局は自己責任であろう。
自己責任が重要視されるのは、彼らは統合失調症や躁うつ病のような古典的精神病ではないからである。(つまり、断酒の状態では、out of controlではないことを言っている)
最近、思ったのは、ADHD系人たちで、部屋が全く片付けられない人たちが、時々、
引っ越したいと思うこと。
これも、彼らの精神症状の1つと思う。しかし、現実的には荷造りなど、荷物を整理する労力の4分の1くらいで、すっかり片付いてしまうだろう。
片づけられない人たちは、部屋の広さが足りないから、片付かないのではないのである。不必要なものを捨てないからである。引っ越ししても、結局は同じことだ。
引っ越しの動機は、1つは真っ新な新しい場所に移動し、再スタートをしたいという気持ちと、彼らが非日常の空間を求めている部分の両方が関係していると思われる。
この特に前半は、アルコール依存症の人たちの断酒の決断に似ている。
また、摂食障害(過食症)の人たちの同じような決断に、
明日からダイエット。
というものがある。
参考
こんまりさんの話
断捨離とシュレッダー
阿佐田哲也(彼は非常に引っ越しが多かったらしい。またギャンブル依存はADHDと関係が深い)
精神疾患における非日常の考え方(12)
人の判断に興味がある
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断酒を決断するのも精神症状の1つ
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