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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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難治性単極性うつ病に対するリーマスの用量

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難治性うつ病に対するオーソドックスな対処法の1つに「リーマスを追加する」といったものがある。時々、アメブロメールで、

自分はリーマスを200㎎しか処方されていないが、意味があるのでしょうか?

といった質問を受ける。この質問は実は僕にすべきではなく、主治医にすべきものである。(この質問に限らず、そう思う質問が多い)

このリーマスを追加するという手法は、難治性の人には「驚くほど効果的とは言い難い」ため、この方法は意味があまりないと思っている医師もいる。

また双極性障害ではない人に、リーマスの中途半端な量を追加しているために患者さんが「自分は双極性障害と診断されているのではないか?」と誤解していることもある。また、量が少なすぎて、「あまり考えないで追加しているのではないか?」という疑念を持っていることもある。

自分の場合、リーマスをこのタイプ(つまり難治性の単極性うつ病)に使う際に、理解できそうな人には使う根拠を説明しているが、薬に対しあまり問題意識がない人には(やぶへびなので)敢えて説明しないこともある。

リーマスは、難治性うつ病に対する治療では十分なエビデンスがある薬である。しかし、高用量で効果的だったというものと、低用量でも効果的だったという論文がある。

従って、血中濃度が低いケースでも効果がみられることもありうる。つまり、若い人へのリーマス200~400㎎はエビデンス的には意味がないとは言えない。


少なくとも、リーマスは高用量で効果的だったという知見もあるため、その患者さんの忍容性にもよるが、高用量まで試してみて無効と判断すべきと思われる。

過去ログにもあるが、リーマスは過小評価されている薬の1つだと思う。

参考
単極性、双極性の激うつ対策本部
リーマスが効いても双極性障害ではない話
単極性うつ病と双極性障害のうつ状態


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