リエゾンをしていると、名前くらいしか知らない稀な神経疾患の患者さんの相談を受ける。
彼らのうつ状態やと疼痛をうまくコントロールすると、なぜか元の神経疾患の進行が予測されているより遅くなる。よく本人や担当医から不思議がられる。
例えば、膀胱直腸障害が出始めていたのが消失するとか、運動はもはやできないと言われていた青年が、車椅子バスケットができるようになるなどである。
過去ログでは、統合失調症の患者さんで癌全身転移の患者さんの癌が次第に小さくなっていった話が出てくる。この話に似ていると思う。
ノルアドレナリンやセロトニンを増やすことは、その人の生命力を増す傾向があるのは確かである。
一般にうつ病の人は健康の人より寿命が短いと言われているが、これはうつ病自体が免疫力を下げ、また生きる気力を失わせることが大きい。(北朝鮮の日本人妻の話が過去ログがある)
これが、なぜか抗うつ剤による有害作用と言われたりするのは不思議なことだ。
うつ病の人は、薬物治療しないよりした方が明らかに寿命が伸びる。これは自殺のリスクが下がることを除外してもそうなのである。
ある時、もう75歳くらいの女性患者さんから、サインバルタ20㎎を飲み続けた方が良いかどうかを尋ねられた際に、上のような話をした。
今回は、その日の話の概略をアップしている。
参考
乳癌全身転移
精神疾患と服薬
精神科の患者さんと癌検診
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難治性の神経疾患に伴ううつ状態や疼痛を改善すると進行が遅くなる
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