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Channel: kyupinの日記 気が向けば更新
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プロピタンは今でもなおニッチの薬物

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今日、アメブロはバグか何かで記事が書けない状態が続いていた。しばらく経ってログインすると復旧しているように見えたが画像がアップできず中断、仕方なくタイトルを替えた。

 

今回は非常にシンプルな内容で、旧来の抗精神病薬の中でもSDAのプロフィールを持つプロピタンは、今でもなお抗精神病薬治療の選択肢として存在感があるといったものである。

 

例えば、一時期、内科的疾患(重い肺炎など)のために服薬が困難だった高齢の統合失調症の患者さんに薬物再開する時によくそれを感じる。

 

肺炎などのために体力が落ち服薬しなくても静かだった人も、しばらくすると本来の精神症状が再燃し、病棟生活で問題が起こるようになる。このような際に、精神科医は

 

この機会に、ジプレキサでも使ってみよう。

 

と思うものだ。それは高齢者の場合、ジプレキサの食欲増進作用は有用なことが良くあるし、ジプレキサの方が抗精神病薬として完成度が高いこともある。(もちろんジプレキサの方が優れる人もいる)

 

ところがである。ジプレキサだとうまくバランスが取れず、プロピタンの方が数倍良いということが良くあるのである。プロピタンの用量だが100~150㎎服薬していた人に多い。

 

感覚的には、ジプレキサはブレンドコーヒーだが、プロピタンはノンカフェインのブラックコーヒーのような印象である(←自分でも意味不明)

 

あと、ニッチ的に輝く場面は、有料老人ホームなどで大声や介護への抵抗などでバルプロ酸とかメマリーなどの鎮静的な薬物でうまくいかず、もう少し鎮静したいと思うとき。

 

このような際に、プロピタンの25㎎~50㎎で充分なことがある。薬価が安いので、ジプレキサやリスパダールなどを投与するより遥かに良い。また、プロピタンの25㎎~50㎎はコントミン換算値で大した量ではないのにもかかわらず奏功しているのも重要だと思う。(副作用の視点で)。

 

プロピタンを25㎎投与したために、バルプロ酸シロップや眠剤が一切必要でなくなる人もいるのである。

 

プロピタンは今でもなお、ニッチに存在する代替しにくい抗精神病薬の1つなのであった。

 

参考

ポール・ヤンセンとプロピタン

プロピタンとエビリファイ

高齢者の奇妙な幻覚妄想とプロピタン50㎎

 

 


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