もうすぐ春分の日だが、この時期、急激に暖かくなると精神への賦活作用があるのか、症状が荒れる人がいる。少なくとも秋よりは春の方が波乱が起こりやすい。
長期予後を考えるに、発病後、軽快退院した後の最初の春の経過はけっこう重要だと思う。
自然経過で悪化したのならやむを得ないが、何らかの人為的なものが関与して悪化したのであればとても残念だと思う。
人為的というのは怠薬などが挙げられるが、この時期、不用意に減薬を計画するのもリスクが大きい。減薬中に悪化した場合、減薬が主因なのか、季節的なものが大きいのかわかりにくい。
ある時、患者さんの入院履歴を見ていたら、この時期にしか入院がない人がいた。たぶん、このような人はきちんと服薬していても悪化したような気が非常にする。
人によると、病状悪化、服薬しないこと、入院が一連なものになっている人がいる。それは、春になると、気分が上がってくるので万能感が広がり、もう大丈夫だと思うからである。
いずれにせよ、この時期に精神症状がブレやすいのは向精神薬が発売される前から、気付かれていたものだと思う。