昔はMRさんの喫煙率はかなり高かったように思う(MR;製薬企業の営業担当者、メディカル・レプリゼンタティブ)。当時は医師も喫煙率が高く、これは精神科だけではなく内科や外科もそうだった。
昼休みや夕方5時以降も医局はタバコで煙っており、それが特別に変にも思わなかった。僕のような非喫煙者が、禁煙を主張することは到底無理だった。喫煙者の方がむしろ多かったからである。
ある内科で医局員に禁煙を呼びかけ、1本吸う度に100円を貯金箱に入れるという決まりにしたところ、貯金箱に100円玉がどんどん溜まるありさまで全然効果がなかった。10本吸ってもペナルティは1000円にしかならなかったからである。僕の友人の内科医はどうみても1日40本以上吸っていたが、彼の口癖が、
1回当直すれば、ペナルティの2000円など誤差範囲。
だったが、そういう問題ではないと思う。
ところが近年の若手医師は女性が増えたこともあるが、喫煙者が激減している。したがって病院の敷地内禁煙もわりあい適応しやすいのではないかと思う。
今回はMRさんの喫煙について取り上げたい。自分の一般的な感覚では、患者さんは仕方がないが、精神科病院にもタバコ臭いMRさんは訪問しないでほしい。
しかし気が弱いのか、実際に強烈にタバコ臭いMR氏を出入り禁止にしたことはない。
精神科の一部の患者さんは感覚過敏という所見があり、タバコ臭に対する拒絶感が強い。したがって、診察室にタバコの余韻が残るような患者さんの診察直後に消臭スプレーを吹き、臭いを消すようにしている。
患者さんでこのような対処をしなくてはならない人は概ね決まっており、そういう人たちはタバコを吸うのも病理なので仕方がない。
しかしMRさんと話をした後に、消臭スプレーをしなくてはならないのは、なんだか腹立つ。
だって病院を訪問するのに、基本がなってないでしょう!
参考