高齢の外来患者さんは相対的に認知症が多いが、精神科では統合失調症やうつ病などの精神病の人たちを高齢になり引き続き診ていることも多い。これはなんだかんだ言って薬が良くなっていることが大きい。
認知症で良くある家庭状況は、患者さんの配偶者が介護しているパターン。
家庭で高齢の配偶者が介護することは、身体的にも精神的にも大変なストレスで、長期になると体を壊すか精神を病むことも珍しくない。
そのようなことから、いつの間にか夫婦を一緒に治療しているという状況に至る。たまに夫婦とも同時に入院治療することもあるくらいである。
認知症は夜間眠らないこともよくあるので、その介護のために配偶者も休養が取れない。そのような経緯で次第にうつになったりするのである。うつでも入院を要すほどのうつから、不眠+軽いうつくらいに留まる人もいる。
たまに認知症の息子さんや娘さんが介護していて、本人が100歳を超えており、その息子さんや娘さんも80歳くらいだったりする。これは息子さんや娘さんだったとしても「高齢者が高齢者を介護する」状況である。
そのくらい大変であれば施設に入れれば良いじゃないと思うかもしれない。僕も正直、そう思うが、家庭的にそうはできない状況があったりする。
介護の配偶者が倒れた時、本人をどうしても施設に入れるべき最後のタイミングだと思う。
参考