上の写真はオーストラリアのホテルの朝食で出されていたグルテンフリーの食パンとシリアル。
海外でグルテンフリー食品がこのように普通に出されていたのを初めてみた。日本国内では未だ見たことがない。なお、一応食べてみたが、パンのしっとりとしたもちもち感が失せており、パサパサと言うかボロボロで全然うまくなかった。グルテンはパンのもちもち感に貢献しているようなのである。
グルテン感受性を持つ人たちがグルテンフリー食品を摂取することで体質が改善するなどと言われているが、これに関して僕は詳しくない。注意したいのは、食品に限らず「○○は良くない」というものの中に少なからず眉唾というかエビデンスに乏しいものも含まれていることである。グルテンフリー食品はまだアレルギー体質の人たちに使われている方だと思う。
僕は中学2年生の頃、2か月くらい小児科病棟に入院したことがある(過去ログ参照)。その小児科病棟にはアトピー性疾患の子供たちが多く入院していた。僕はと言えば厳密にはアレルギーで入院したわけではなかった。今から考えると入院する必要はなかった。なぜ入院せざるを得なかったと言えば、指示される食事療法が家庭では難しかったからである。
当時、その小児科医はかなり前衛的な治療を行っており、食事療法でアレルギーを改善しようとしていた。ほとんどの子供たちは食事療法をしていたが、自分に関しては禁止の食物が少なく、やや緩い食事療法だった。
それでも当時、僕はパンは禁止されていたのである。また肉に関しては鶏肉だけ許されており、牛肉や豚肉は禁止だった。魚は良かった。また醤油やサラダ油も禁じられており、こんな風では家庭で食事がつくれない。(ゴマ油は可)
その食事療法だが、数か月間、他の子供たちを見ていてすごく良くなっているようには見えなかった。その小児科医にグルテンを禁止するという意識があったかどうか不明である。
このような食事療法は聴いたことがなく僕の両親にはかなりオカルトに見えたようである。結局、両親の判断で退院後に転院し、新しい主治医により食事療法せずに生活するようになった。
当時は総合病院でさえ適時適温が一般的ではなく、なんと夕食が午後4時半に出ていた。中学校の授業が終わるとすぐに病院に帰り、夕食を摂った後、学校に戻りクラブ活動に参加していた。運動は禁じられていなかったからである。しかしあまりに面倒だったのでやがて参加をやめてしまった。今思い出したが昼食を摂るために、お昼に病院まで戻っていた。
驚いたのはあれほど食物の制限があるのに、普通に見える食事が出ていたことである。栄養士さんの技量は大変なものである。
話は変わるが、ごく最近、統合失調症の人でグルテン感受性のある人たちはそうでない人に比べ、グルテンフリーの食材を使うことで症状改善するという論文が出ている。
グルテン感受性のある統合失調症の人たちはそうでない人に比べ、抗精神病薬の投与量が多く、治療抵抗性を示す傾向があると言う。
彼らにグルテンフリー食を続けることで、精神症状、身体症状が改善するらしい。(兵庫医科大学の論文。兵庫医科大では2019年10月から精神神経科でグルテン専門外来を設置するという)