今日、朝風呂に入りながらふと思いついたことの考察である。
タイトルは、「心ときめかないことがすぐにできず後回しにしてしまうこと」。精神科風に言い換えると、脳内にドパミンが出ないことがすぐにできない話である。
ヒトは加齢とともに、初めて体験することが少なくなるので、ドパミンが出る機会が次第に減っていく。そもそもドパミンのベースラインも若者に比べると低そうである。そういう風に考えると、高齢者にうつ病が多いことがなんとなくわかる。
若い頃は例えば新しい電気製品を買っても、その初期設定が面倒に思うことはなかった。パソコンなども同様だが、今の自分の場合、面倒だけど嫌々する。最近では、新しいノートパソコンも欲しいが初期設定が結構面倒なのでなかなか買わない。今は新しいパソコンくらいでは心ときめかないのである。
これはこれはたぶん自分だけではなく、大抵の同世代の人はそういうものだと思う。他の人になったことはないけどね。
たまにテレビなどでゴミ屋敷にしている家などが紹介されるが、その家主はほとんど全てと言って良いほど高齢者である。男性のことも女性のこともあるので性差はよくわからない。その家主はある年齢まではそれほど目立たなかったが、ある年齢帯を突破すると、全く片付けられない状態に至る。
これは加齢により面倒さが増すことに加え、ある種のこだわりの強さが増すことも関係している。つまり、物へのこだわりが強くなり、より捨てられなくなるのである。これはたぶん加齢による性格の尖鋭化も関係している。性格の尖鋭化には脳動脈硬化症も関与しているであろう。性格の尖鋭化とは、例えば、元々くどかった人がいっそうくどくなるなどを言う。狭義のアルツハイマー型認知症はこのラインに進まず、いっさいのものにこだわりがなく、屈託もなくなる。
部屋レベルではゴミ部屋にする若者は結構いる。しかし、彼らでさえ仕事に行くときは、それなりのきちんとした服装や女性であればお化粧をして出社するであろう。つまり、平時にはできないが、ある意味、プチ非常事態ではそれなりに面倒さが克服できるのである。
このようなゴミ部屋になってしまうのは、ADHD的所見だと思う。
かつて「新型うつ病」の人は出社はできないが、友人と会食したり、カラオケに行ったり、パチンコには行けることが指摘されていた。これは、心ときめくことができるが、刺激がないものはできないことを言っている。つまり、高齢者のようにドパミンのベースラインが低くなっていると言える。
そのように考えていくとＡＳＤやＡＤＨＤで、ひきこもり状態にある人はこのような脳内の状況に近いと言える。しかし、最低限の生活は成り立っているので、そこが統合失調症の情意の減弱とは大きな相違だと思う。
また彼らが海外に出ると、日本国内とは人が違うように働けたりすることも説明できる。それは心ときめく体験が海外では多いからであろう。
最近、この心ときめく体験の多寡が、時間体験に関係しているのではないかと思い始めた。
子供は何もかもが新しい体験で、かつて見たこと、やったことなどが大人に比べずっと少ない。全てが新しい体験であると言って良い。それに比べ僕くらいの年齢になると、既出事項ばかりで、新しい体験は稀である。ドパミンもあまり出ないどころか、次第に枯れていきそうである。
細胞分裂レベルでも、子供はそれらが旺盛なので、体内、体外とも新しい体験ばかりと言える。それに比べ大人は体内でも子供に比べずっとゆっくりとしている。
これらが、時間体験、つまり大人になると時間が早く感じることに繋がっていると思う。子供は新しい体験が多いので、その分時間の厚みがあるのである。一方、大人は自分が脳を含め体内が遅くなっているために時間を早く感じると言える。時間に関しては以下の記事でも触れている。
ひきこもりや不登校の発症に好発年齢がある、つまり幼少期～小学校低学年にはあまり顕在化しないのもこのような考え方をするとわりあいわかるような気がする。
今回の記事は、新しいノートパソコンが欲しいのにあまり乗り気になれないことに気付き思ったことである。以下の過去ログも参照してほしい。