2021年6月にサインバルタのジェネリックが発売される見込みである。ジェネリックの商品名はデュロキセチン。上のパンフレットは東和薬品のものだが他社も発売する予定である。
現在のサインバルタの日本での適応は、
糖尿病性神経障害の疼痛
変形性関節症の疼痛
線維筋痛症の疼痛
慢性腰痛症の疼痛
うつ状態
うつ病
サインバルタは、発売当初の適応は、うつ病、うつ状態だったが、SNRIは疼痛にも有効なことから次第に身体科の疾患にも適応が拡大されている。海外では全般性不安障害や腹圧性尿失禁にも適応が認められている国もある。今回のジェネリックのデュロキセチンはうつ病、うつ状態のみなど、おそらく適応範囲は狭いと思われる。
上のパンフレットで注意してほしいのは、カプセルと錠剤がともに発売されること。日本人はカプセルが苦手であるが、欧米の人たちはカプセルはあまり気にならないらしい。例えばリリカは当初カプセルで発売されたが、その後日本向けに錠剤が発売されるようになった。日本でなぜ最初から錠剤を発売しなかったかと言えば、おそらく一刻も早く発売したかったためと思われる。
日本人はカプセルが苦手なので、日本の製薬会社はカプセルを錠剤にする技術が高いのである。
患者さんに聴くと、カプセルは喉のあたりに止まってしまい下に降りて行かないという。この言い方をみると、日本人のカプセルの苦手な理由は解剖学的な相違も関係していそうである。(なお、リリカも現在ジェネリック、プレガバリンが発売されている)
他、上のパンフレットでは現在のサインバルタの薬価が記載されている。
20㎎カプセル 145.2円
30㎎カプセル 196.6円
このようにサインバルタはとても高価な抗うつ剤である。最高量60㎎服薬すれば、1か月で12000円もかかる。(健康保険では30%負担なので3600円。自立支援法では10%負担で1200円)
ジェネリックはまだ薬価基準未収載なので未定だが、おそらく半値以下になると思われる。サインバルタは処方箋数が多いため、医療費削減の点でジェネリック発売は非常に良いことだと思う。
上はルネスタのジェネリックエスゾピクロン発売のパンフレットである。
以下は、サインバルタ発売前の記事。
サインバルタよくある質問。