2020年7月6日に発売されたデエビゴは2021年5月1日から長期処方が可能となる。今回、特別なのは、1年を待たず長期処方ができるようになったこと。デエビゴは以下の記事を参照してほしい。
普通、新薬は1年経過すると長期処方可能となるが、デエビゴの処方制限が短縮されたのは、昨年4月に薬価収載され、新型コロナ肺炎流行のために発売を7月まで遅らせたことも関係ありそうである。
また、デエビゴは今まで2週間制限だったが、5月からは1か月を超えて処方可能になる。一般的には3か月くらいは可能と思われる。
過去ログにもあるが、デエビゴはベルソムラ比べ優れている点が多い。と言うより、劣る点は長期処方できないことくらいだったが、これが解消されたのである。しかし既にベルソムラで眠れている人はわざわざベルソムラに変更する必要はないと思う。
デエビゴは、マイスリーに比べ入眠障害に対し有意差が出ている。デエビゴは特に入眠の作用が優れている点でベルソムラに比べ優れている。
(患者さんの感想)
デエビゴはすっと眠れる。しかし、長く眠れない。マイスリーは長く眠れるが、すっと眠れないのがデエビゴと違う。(マイスリーは長く眠れるが入眠作用が弱いことを言っている)
デエビゴは、アメリカでも昨年6月頃発売されている。日本で創薬された新薬は、しばしば海外で先に上梓され、日本での発売が大幅に遅れることも多かったがデエビゴはほぼ同時であった。なお、今年、ヨーロッパで発売予定という話である。(新型コロナの影響があるかもしれない)
デエビゴ5㎎錠の薬価は89.9円とベルソムラ15㎎とほぼ同じである。ベルソムラ15㎎は高齢者の服用量が目安で、ベルソムラ15㎎と比べるなら遥かにデエビゴ5㎎の方が効く。しかも5㎎錠は2錠まで服用可能なのである。デエビゴ5㎎錠の2錠の価格は眠剤にしてはかなり高価だと思う。なお、デエビゴ10㎎錠は120~130円なので、2倍までいかず割安の薬価設定である。
デエビゴの欠点は、日中の眠さを訴える人が意外にいることだと思う。
ベンゾジアゼピンを絶対服用したくない人にはデエビゴは推奨される。その理由は、入眠効果がベンゾジアゼピンと遜色ないからである。