僕は外来の受け持ち患者が相当に多いため、あまり新患を診ない時期が数年間あった。しかし、うちの病院の新患が増えていくため、そうも言っておれなくなり、数年前から再び診るようになった。
普通、院長は長くその病院に勤めているわけで担当する患者が入院、外来とも多いのは当然だと思う。
院長がかなり高齢だと、若い人のようなボリュームで働けないので、多くの患者を若手ドクターに任せて担当患者は少なくなるのではないかと思う。(主治医交代)。
昨年度、新型コロナが流行し始めて自立支援法の診断書の提出が猶予されたため、その猶予分と今年の更新が一度に来て、診断書を書くのが大変である。特に僕はそうである。
昨年暮れくらいから、新患患者さんについて新患サマリーをパソコンでまとめるようになった。その理由は2つ。1つは、カルテの字が汚すぎて自分でも読めないことがあること。こりゃ酷いと思うが、綺麗に書けないので仕方がない。もう1つは、新患を診た瞬間に書いておくと、その後の自立支援法、福祉手帳の記載が楽。コピーで早く仕上がるためである。
その結果、1か月の統計が出せるようになった。新患は外来に受診したケースと、リエゾンの新患に分かれるが、いずれも新患で変わりがない。
さて、僕は2021年3月に何人の新患を診たでしょう?
今調べると、外来の新患が10名、リエゾンの新患が8名であった。なんと、3月に18人の新患を診ていたのである。(実はプラス2名。熱発者だったため感染症対策の部屋で診察し、パソコンを持って行かなかった。感染予防のため。従って統計に入っていない)
たぶん、全国の単科精神科病院の院長で1か月に18人も新患を診る精神科医はいないと思うよ。
なんだかんだ言って、僕は精神医療のパワーがある方だと思う。
精神科新患の診察の感想。
最初、言われたときに、一瞬、うんざりなんだが、受けないと仕方がないので診察を始める。
なぜか、長い診察の後、妙にスッキリする。ある種の解放感があるんだな。
これって、精神科治療自体がけっこう自分の興味と言うか、好奇心と言うか、脳の重要な部分に触れるんだろうと思う。
精神医療自体が嫌いだったら、1か月に18人も診られないと思うよ。だって、ほとんどの人はそれから自分の担当患者になるのに。(その日だけでなく、その後も治療が続くことを言っている)
参考