先日、「人間の秘めたるエネルギーと治癒の謎」の記事に以下のようなコメントがあった。
この患者さん、すごく自分に似ています。
が
乳幼児よりアトピーと言われ、内服外用含めステロイドを使用してきた自分のターニングポイントは、イトラコナゾールの内服でした。真菌つまりカビの治療をしたところ、ひどい皮膚症状も、メンタル面も大きく変化があったのですが、処方した皮膚科医すら「わけがわからない」と言い、メンタル医も皮膚症状以外の改善については深く言及してくれません。しかし、自分では妄想気分がなくなり、頭の中が少しずつクリアになってゆくように感じています。今は、「LSDだって麦のカビなんだから、ある種のカビ毒にそういう面があっても不思議はなくない?」という妄想を持っています(笑
ちなみに、発達障害的要素の強い父親は長年足白癬を患っており、「育てにくい子」だった娘も、ここからある種のカビを引き継いだのではないか…?という妄想もあります!
誰にも通じない話なので、小ネタ的に
以前2chでお世話になったkyupin先生に届けばいいなあと思った次第です。
この記事は2008年4月のものである。一連の記事の内容は、アトピー性皮膚炎を持つ患者さんが重い非定型病像を呈し、ECTで次第に回復し完治したというものである。以下参照。
アトピー性皮膚炎を持つ全ての人が、何らかの精神疾患を持つわけではない。しかし精神科医から診ると、身体の慢性炎症が何らかの精神病状態を引き起こしているように見える。逆に精神症状が慢性炎症を悪化させているようにも見える。
上の記事では、その起因するものを「神経毒性物質」と呼んでいるが、おそらく白癬によるアレルギー反応(物質?)も神経毒性物質になりえるのであろう。
このような考え方は日常臨床で非常に重要だと思われる。例えば、膠原病の慢性炎症も非定型病像を呈するトリガーになりうる。例えば、皮膚筋炎などもそうだし、他のリウマチ、SLEも同様である。
ある時、集中力を欠きいつもぼんやりしている高齢の患者さんが入院していた。その患者さんは何らかの異常体験も伴っているように見えた。一般的な目線では、認知症的な症状であったが、発熱を伴う肘部の炎症反応をリウマチ専門医に治療をお願いしたところ、精神症状も速やかに清明になったのである。
アトピー性皮膚炎や皮膚筋炎などは、これらが外肺葉の疾患であることも関係している。外肺葉は神経と皮膚に分化するため脆弱性が似るのであろう。これはどこか過去ログに記載している。
このようなことから、皮膚疾患を併発している精神疾患を持つ人は、「皮膚症状と精神症状がしばしば連動する」という意識は必要だと思う。
また精神症状を改善するために、皮膚疾患の治療の上手い皮膚科医を探すのも良い方法だと思われる。
参考(ミノマイシンに関するもの)