上はタイトルと直接関係ないが、昨日12月27日の国内新型コロナ新規感染者数。オミクロン株流行が恐れられているが、今のところ国内で感染者数が爆増している状況にはない。しかし1~2週間前に比べると新規感染者数は少し増えているとはいえる。
現在、既にオミクロン株に市中感染が起こっているわけで、デルタ株の4倍の感染力と言われる割にそこまで増加しないのは奇妙な印象である。現在のように新規感染者数の世界との乖離が生じたことがあっただろうか?日本人には何らかの感染をしにくくさせる要因があると思わざるを得ない。
さて、強迫性障害の人には細菌への過度の恐怖が生じることがあり、新型コロナパンデミックの環境だと感覚的には悪化しそうである。しかし強迫性障害は環境より内側(つまり脳内)の問題が大きいため、いったん悪化しても次第に平衡状態に至りそうに見える。
実際、新型コロナウィルス流行で強迫症状が悪化したという人もいたが、僕の患者さんに限ればあまり長期的には変化がなかった。もちろん、これはそれまでの強迫症状の内容にもよる。
ガスの元栓を締めていなのでは?と不安感に襲われる人は、ガスをIHヒーターに替えても、IHヒーターのスイッチを切り忘れたのではないか?と言う不安感が生じるらしい。ここが内側(脳内)の問題と思う理由の1つである。
強迫症状を改善するために環境をより良くすることはキリがない。これは手を洗い続けても疾患本体が改善に向かっていないことに通じている。
また強迫性障害は完全に治したいという強い欲求も宜しくないと言える。強迫性障害の人が完璧に治そうと思うのは、その疾患特性であり症状の1部だからである。60%と80%くらいの改善でも満足でき、心が平穏になることは疾患が快方に向かっている所見である。
ジェイゾロフト(セルトラリン)を飲むと、「まあいっか」という気分になるというが、これこそ「60%でもまあいっか」的効果だと思う。ジェイゾロフトは強迫症状を緩和するが、真に強迫症状へ特化した薬がデプロメール・ルボックス(フルボキサミン)である。そもそも海外ではうつ病の適応がない国もあるほどである。(基本、デプロメールは強迫性障害の薬)。
このデプロメール・ルボックス(フルボキサミン)だが、日本人は副作用のために服薬できない人が少なからずいることは治療上、大きな問題だと思う。