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子供のスポーツ大会の勝利至上主義と商業主義

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“柔道三兄弟”の父親として知られるお笑い芸人のはなわさんのインタビュー記事がNHKのサイトに紹介されていた。

 

最近、行き過ぎた勝利至上主義が散見されるとして、全柔連により小学生の一部の柔道大会が廃止された。子供の柔道大会で特に問題があるものとして過度な減量も挙げられるので、特別のように思うかもしれないが、柔道に限らず子供のスポーツ大会の勝利至上主義と商業主義は目に余るものがある。

 

今回この話題を取り上げた理由は、子供のスポーツ界で勝利至上主義が原因でメンタルヘルスを病み相談を受ける事例が増えてきているからである。

 

小学生や中学生でスポーツで特別に良い成績を上げると、スポーツの名門校にスポーツ特待生として学費免除など優遇される。この優遇のレベルはどのくらい成績が傑出しているかで異なる。全国大会で優勝を狙えるような選手は、学費免除に加え生活費まで支給されることもあるようである。

 

スポーツ特待生は、全国大会で良い成績を残してその高校の知名度を上げることが期待されるが、成長期の子供は急に成績が伸びなくなることもあるし、大きな怪我が原因で競技を続けられなくなることもある。

 

競技が続けられなくなった時に免除だった学費を支払わねばならないかは入学時の契約によると思うが、普通はその学校に居りづらくなると思われる。スポーツを期待されて入学したのに退部した場合、学校からは役に立たない生徒とみなされるであろう。この辺りはかなりシビアで商業主義的だと思う。

 

その生徒は学校でかなりの疎外感を感じるであろうし、学費を出してまでその学校にいるより転校して新しい生活になった方がマシと思っても不思議ではない。

 

スポーツ特待生の競技が続けられない事態は誰にもすぐに気付きやすいが、それ以外にもかなりの闇がある。

 

例えば、自分の子供が重要な大会前に他の生徒の父兄により怪我をさせられるなどである。これは競技能力の差が自分の子供と差があるので妬みのようなものが原因かもしれない。また、レギュラー人数には上限があるので境界にいる子の親は切実なのであろうが到底容認できない話である。

 

はなわさんのインタビュー記事でも、試合中に指導者や父兄の罵声が酷いと言う話が挙げられているが、メンタルヘルス的には罵声は暴力と何ら変わりはない。手を上げなかったら暴力ではないという考え方は間違いだ。

 

酷い暴力があったなら、思い切って警察に相談すれば良いと思うかもしれないが、話はそう簡単ではないのである。ケースによれば、その学校が全国大会出場を辞退せねばならなくなる。

 

これは日本的な全体責任のような考え方で、他の無関係の競技者の心を折る処分だと思う。このような処分も、その競技連盟の商業主義的一面だと思う。

 

今回の全柔連の決定は、今後の子供のスポーツをどう考えるかという点で、大きな問題提起だと思う。

 

参考

 

全柔連(全日本柔道連盟)が今年3月、「心身の発達途上にあり、事理弁別(物事の判断)の能力が十分でない小学生が勝利至上主義に陥ることは好ましくないものと考えます」として、小学生の一部の全国大会を廃止することを発表した。

 

 

 

 


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