前回、精神科病院の新型コロナクラスターの話をしたが、この機会にスピンオフ的な記事をアップしたい。
新型コロナクラスター環境下では、他科受診の予定があっても院外への受診などできない。このような時、大学病院や総合病院で特殊な薬を処方されている人が困るのである。
大学病院に受診できず、仕方なくその薬を購入している。これらは必要なだけ購入は難しいので、いったん購入すると、使い切れれば良いが、余った薬は最終的に廃棄になる。そのような特殊な薬は他の人には必要ないからである。
受診をずらしても問題ない人は延期で良い。例えば、癌の手術をして数か月に1度再診するなどである。投薬がないのでこれは問題ない。クラスターの期間は1か月弱だったのでこれは対応可能である。
また受診ではないが、外来は閉めているし、タブレット面会も看護スタッフが他の業務で忙しい状況なので対応できない。クラスター期間はタブレット面会もできなくなるのである。
また感染者は解除期間までは入浴をしなかった。感染ゾーンにいる患者さんは潜在的にこれから感染する可能性があるため、他の患者さんと分けなければならず、小さな1人用のお風呂で入浴させていた。これはちょっと考えると簡単に思うかもしれないが、なんらかの精神疾患で入院しているわけで、とても時間と人手がかかる業務である。まして、看護スタッフも新型コロナ解除されたばかりの人が多く、体調がすぐれない状態で対応しなくてはならなかったのである。
食事も同じような理由で、椅子とテーブルを病棟に持ち上がり、感染者のいる病棟内だけで食事をしてもらっていた。このような方法はうまくいき、他の病棟に感染が及ぶことはなかったのである。