ベルソムラは丈夫なアルミシート包装である。PTPのまま貰った人は出すのに少し力を要する。今回は、なぜ、ベルソムラはこのような仕様になっているか?という話。
このアルミシートは結構硬く、取り出しにくく、扱いを誤ると指を切りかねないものである。このような頑丈な包装の理由は、ベルソムラ錠が光線に弱く、湿気にも弱いことから来るらしい。
また、子供では容易に取り出せないようにしている意図もある。もちろん、誤嚥を防ぐためである。この誤嚥だが、他に子供に誤嚥してほしくない向精神薬は多くあるが、皆がこのような包装ではないので、ついでの理由だと思う。
なお、パキシル、ラミクタールもこのような頑丈な包装になっている。なお、パキシルとラミクタールはグラクソ・スミスクラインの製品である。
この2剤がベルソムラ同様、光線に弱く湿気にも弱いのかどうかは詳しくないが、もしかしたら、昔、アメリカで裁判に負けて、このようなやり過ぎの包装になったのかもしれない?などと想像している。(真偽不明)
なお、ベルソムラはデエビゴに比べ催眠効果がやや弱いため、精神科では処方頻度が下がっている。しかし内科外科ではそこそこ処方されているようである。ベルソムラ、デエビゴ、ロゼレムはベンゾジアゼピンではないので、不眠と言っても軽い身体科では処方されやすいのだろう。
しかし、ベルソムラからデエビゴに変更すると、頭痛などの副作用が少ないとか、眠り心地が違うなどと言い、ベルソムラに戻る人もいる。このような薬にもやはり服用感には個人差があるのである。
ベルソムラとデエビゴの傾眠以外の副作用で最も多いのが頭痛だが、実はこの2つの頭痛の副作用の率には大きな差がない。ベルソムラは3.9%、デエビゴは 4.2%程度である。
これはデエビゴに変更したら頭痛が出たと言うほどの相違ではないように思われる。このようなことも個人差である。逆にベルソムラで頭痛が出て、デエビゴでは頭痛がないという人も十分にあり得る話である。
従来のベンゾジアゼピンは脳の抑制系に働きかける睡眠薬だが、新しい睡眠薬は覚醒系を抑制することで催眠効果を発現している。