「こんまり」とは、片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんのことである。彼女の書籍は大ベストセラーになっている。
うちの家は夫婦2人な上、比較的広めの3LDKなのに全然片付いていない。今では、スペースがなくて、友人が泊まりに来られないほどである。
そういえば、新婚の頃、嫁さんのかつての教え子や友人が、毎月のように遊びに来ていた。それも泊りがけである。
嫁さんは小学校の先生だったので、そういうものだろうと思っていたが、当時、かなり忙しい病院で働いていたため、週末の金曜日には微熱が出るほどヘトヘトになっていた。
そして翌日から、ガキどもがやって来るのである。新婚当時は体調も思わしくなかったため、さすがにうんざりするような週末になった。
だいたい、僕は子供や動物は嫌いなので、近くにこういう躾けの悪い子がいるだけで、大変なストレスなのである。
そもそも、新婚の元女性教諭の家に、子供を県外から泊りがけで遊びに行かせる親の感覚もどうかしている。担任したことがない子供も、なぜかやって来ていたからである。この事件は謎といえた。
子供が来たものを歓迎しないわけにはいかず、不愉快な顔もできない。このようなことは仕事柄そういう風に対応してしまうのである。
ある時、うちの病院の看護師の主任さんに言われたのだが、「先生のこれは凄いと思うことの1つは、いかなる体調が悪い時でも、それが診察に全く出ないことですね。どうなっているですか?」と言われた事がある。精神科医はそういう習性があるとしか言えない。(モナリザの微笑)
当時、よく子供たちを間近に観察する機会が得られたので、「子供たちの躾が悪い」ことがどのようなことなのかとても勉強になった。
そのうち、嫁さんも子供たちの「躾けの悪さ」や「平気で嘘をつくこと」に辟易するというか、絶句することが多くなり、もう断ろうか・・と言う話になった(←悟るのが遅すぎ。子供が天使と言うのは空想である。小学校や中学校のイジメ事件を見ればわかる。)
結局、子供たちの来襲は2年間ほどで終わったのである。
うちはいつかも書いたように、無駄にぬいぐるみが多い。それも、大小無数にある。また、衣類もあまり着たことがないようなものがかなりある。また精神科に限らず、医学の本やパンフレット、書類、メモ類が膨大で、しかも常時追加されるため、自然に捨てられないゴミが増えるのである。
そういうこともあり、こんまりさんなどがテレビに出てくると、彼女のコメントから片付け法を研究している。
彼女は、「ときめかないものは捨てる」という秘法を話していたが、これが案外難しい。
うちの母親は非常に決断力がある捨て方をするため、実家はいつも片付いている。いつだったか、僕の膨大なレコード類を持ち帰った時は、さすがに苦情が出た。これは迷惑なので回収し、今は病院の自分の部屋に置いている。
問題は精神科の書籍類で、容易に捨てられないので、スリムに電子書籍化することを最近考え始めた。ただしこれは書籍の裁断が必要なので、その後を考えると、書籍自体は捨ててしまうことと同じである。
果たして、本当に書籍を捨てて良いのか?という問題がある。
その理由だが、電子書籍化したらしたで少し不便な面もあるからである。このちょっと・・な点は電子カルテのそれに似ている。
試しに、いくつかのパンフレットをエプソンのプリンタでスキャンして取り込んでみた。解像度は悪くない。ただしPDFファイルなので動きが重い。このPDFファイルは取り込んだ後、繋ぎ合わさないと不便である。このソフトだが、フリーウエアで見つかったが、自分は使ったことがない。
このようなことをやってみると、書籍はまだしも、パンフレットやメモまで取り込んで整理するのは、時間がかかる難点がある。使用価値に比べ苦労が大きすぎる。
断捨離の最初の「断」で、止まっとるやないか!
(注、断捨離はクラターコンサルタントやましたひでこさんのお言葉)
最初からこれでは先が思いやられる。過去ログに「精神科は本が捨てられないこと」という記事があるが、やはり精神科医は書籍類が律速段階になるようである。
それでも、衣類やその他のガラクタは思い切って捨てようかと、ようやく思い始めている。
嫁さんは、広いマンションに移れば無問題というが、よく言うよ、といったところ。
広いマンションだったとしても、同じ事態で悩むのは必至だと思う。引越しは片付けより面倒なので、まだ片付けて広くした方が合理的である。
こんまりさんや、やましたひでこさんがもてはやされるのは、同じ悩みを持つ人が多いからなんだと思う。
(おわり)
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こんまりさんの話
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