精神科では、慢性疼痛に抗うつ剤が非常に有効なことが知られている。
過去ログでは特にトフラニールやトリプタノールなどの古典的な抗うつ剤が使われていたことを記載している。また今回は、SSRI、SNRI、NaSSAなどは扱わないが、これらもエビデンスレベル、推奨度とも高い有効な薬物が多い。
精神科で従来、最も疼痛に使われてきたのは古典的抗うつ剤とテグレトールなどの三叉神経痛にも使われる抗てんかん薬である。
今回は、旧来の抗うつ剤、特に3環系及び4環系抗うつ剤を中心に、線維筋痛症に対する有効性のエビデンスレベルと推奨度を紹介したい。これは海外のもので日本の評価とは若干異なる。
最初にエビデンスレベルⅠ~Ⅴについて
ランクⅠ
Systemic review、メタ解析によるデータ。
ランクⅡa
1つ以上のランダム化試験によるデータ。
ランクⅡb
非ランダム化データによるデータ。
ランクⅢ
分析疾病学的研究によるデータ。
ランクⅣ
記述疾病学的研究によるデータ。(何例中何例が有効だったなど)
ランクⅤ
患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見。
読者の人には上記のエビデンスレベルの差がよくわからないと思うが、Ⅰ~Ⅴの順番に信頼性が落ちると考えて良いと思う。
推奨度
A 行うように強く勧められる。
B 行うように勧められる。
C 行うように勧めるだけの根拠が明確でない。
D 行わないように勧められる。
上では、Dはしない方が良いと考えられる医療である。
なお、日本では、現在明確に「線維筋痛症」という病名が登録されておらず(精神科では特に)、また国により効能効果が認められている薬物もない。そのため、推奨度にAは付けられておらず、Bが最高である。
アナフラニール
エビデンスⅡa 推奨度B(日本でもB)
経験的に慢性疼痛に対しアナフラニールの点滴は圧倒的に効く。ある女性患者さんは、疼痛の治療のために、アナフラニールの点滴目的に入院し、そのまま奏功し退院となった。彼女は1日0.5Aしか点滴していなかった。彼女の退院時の話だが、「疼痛や体の動きのギクシャク感、体の重さや疲労感が一掃された。また、なんだかスローモーだった動作が速くなり、歩き方も良くなった」と喜んでいた。
ただし、アナフラニールの点滴は、日本のエビデンスレベルはなぜかⅣになっている。たぶん、あまり使ったことがない精神科医が点滴したために効かなかったものと思われる(結構真面目に言っている)。
むしろ線維筋痛症になるような人は非常に薬に敏感で副作用が出やすいことも稀ではないので、3環系抗うつ剤を使う場合、QT延長などの心電図チェックが重要と思われる。
プロチアデン
エビデンスⅡa 推奨度B(日本でもB)
慢性疼痛に対し、僕はプロチアデンは使ったことがない。
トリプタノール
エビデンスⅠ 推奨度A(日本はB)
25~50mg就前服薬が推奨されているが、150mgまで増量しないでこの人は効かないと判断しないことが望ましいとされている。前回の記事でリウマチが完治した女性はトリプタノール125mgが主剤であった。
線維筋痛症の人は不眠が強く、食欲不振や痩せている人も稀ではないのでトリプタノールによるうつ状態、睡眠の改善、食欲増進、体重増加作用は喜ばれる。基本的にトリプタノールは服薬できる人にはバランスが良い。
ノリトレン
エビデンスⅣ 推奨度B(日本ではC)
ノリトレンは研究自体が少ない。トリプタノールは代謝を受けノリトレンに変化するため、理論的にはノリトレンは疼痛に効いておかしくない。ノリトレンは副作用がトリプタノールより少ないため、線維筋痛症を含まない神経障害性疼痛に対し、国際疼痛学会は、トリプタノールよりノリトレンを優先するように推奨している。
トフラニール
エビデンスⅣ 推奨度C(日本もC)
研究結果にぱっとしたものがない。日本では古くから、トフラニールが疼痛に有効なのは有名なのだが、線維筋痛症に限ればそれほど有効ではないのかもしれない。
ルジオミール
エビデンスⅡa 推奨度C(日本でもC)
ルジオミールも疼痛や異常感覚に有効である(過去ログ参照)。エビデンスレベルは最高に近い。
レスリン
エビデンスⅣ 推奨度B(日本はC)
イタリア、スペインでの対照群のない研究で鎮痛効果があったとされる。
旧来の抗うつ剤以外の抗うつ剤、例えば、SSRI、SNRI、NaSSAについては別の機会に紹介したい。
線維筋痛症と旧来の抗うつ剤
オーストラリアの野良インコ
ラミントン国立公園内で撮影した野良インコ。
気性が激しく、餌付けの際も隣のインコたちとエサを奪い合う。喧嘩もしょっちゅうで、愛されないタイプのインコだと思う。
人相が目に表れている。インコ相というべきか・・
ラミントン国立公園やオライリーさんについては、フウチョウモドキの過去ログを参照。
エサは、ヘチマの種なんでしょうか?
それ以外の木の実もありそう。
このようにエサの時間には滅茶苦茶の数が集まる。この2種類のインコは本当に綺麗な色合いである。1種類は黄緑、もう1種類は紫がワンポイント。ということは、青色系を目印にするんでしょうなぁ・・自分の場合。
ここは山の中だが、沿岸部ではこの種類のインコは観たことがない。
地面に落ちたヘチマの種も食べている。
うわ~
虫のように木に群れている。セミとかバッタの世界。
おい、そこは商品の上だろ。
いつもこうだと思うので、ポロシャツやTシャツは調べてから買わないと。
基本的に、美しいが、躾の悪いインコだと思う。まだ、コッカトゥの方がかわいげがある。
この白い鳥はカランビン自然動物公園にお住まいのコッカトゥ。
あるいは違う種類かもしれない。このコッカトゥはカランビンで飼われているのではなく、たまたまここに野生のものが住んでいるらしい。この真偽は不明。特にオリには入っていなかった。
コッカトゥはインコではなくオウムである。かなり長いセンテンスで言葉を覚えるらしく、オーストラリアではもちろんオージー英語を話す。日本人がそれを聴くとびっくりするらしい。
参考
コッカトゥ
インコと文鳥との楽しい遊び方
インコの雌雄の見分け方
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体育教師が小学生を殴った話
急に思い出したので書きとめておく。
小学5年の時、担任の先生は女性だったため、体育だけは男性教師に習っていた。その体育の教師は、クラス担任もしていたかもしれないが、主に専任の体育と水泳クラブの顧問だった。
今では信じられない話だが、まだ薄ら寒い気候でも水泳クラブは練習を始めていたので、まだ水温が低い時期でも泳いでいた。つまり温水プールなどなかったのである。
僕は3月か4月か忘れたが、泳いだ後、プールから上がると耳に激痛が走り、バスタオルを体に巻いていても唇の震えが止まらず、歯が鳴り続けていた。
なぜ僕が泳いでいたかだが、たぶん水泳クラブに入っていたからだと思う。水泳がわりあい得意だった話が過去ログにも出てくる。
今日はこれを話したかったのだが、ある日、その体育教師に授業を受けていた時のこと。この男は、急に怒り出して生徒を殴る習性があり、その時は運が悪いと諦めないといけなかった。
殴り方だが、ビンタではなく拳で殴るのである。
ある時、何か気に入らなかったことがあり、僕の横にいた生徒が強烈に拳で殴られ吹っ飛んでいった。次は僕だろうと思って、奥歯をぐっと噛み締めたが、僕の顔をちょっと見て、なぜか殴るのを止めたのである。
僕は心の中で安堵・・
彼に殴られた子供たちをたくさん見た記憶は残っているが、自分が殴られた記憶があまりない。実に恐ろしい教師、と思っていたのは確かである。
その真横で殴られた子はクラスでも特別というか有名だった。というのは、スポーツが抜群の上、彼の父親は当時、僕が住んでいた市の警察署長だったからである。彼の父親はまだ若く、いわゆるエリートコースの人だったと思う。
しかし、彼を殴った事件は全く問題にならなかったのである。
当時の小中学校では、少々の体罰は容認されていた。その体育教師の口癖は殴った後、
文句があるなら父親を連れて来い!
だったので、父親が警察署長の彼を殴ったのは大事件である。僕の友人たちは皆そう思った。
彼の父親が何も行動を起こさなかったのは不思議というより、ある意味、立派だったのかもしれない。
当時、あまりにも体罰が多いことと、えこひいきが酷いため、周囲からは少し特殊な人とは思われていたが、PTAでもさほど大きな問題にはならなかった。
このえこひいきだが、同じ学校の先生の子供にきつく当たるのである。K君という女性のやり手の先生の子供が最も嫌がらせを受けていた。僕は、同じ水泳クラブに入っていたのもあり、彼がその教師に滅茶苦茶に文句を言われていたり、殴られているのをよく見ていた。
今思えば、きっと仕事上のその女性教師との軋轢のようなものがその子供にぶつけられていたような気がする。
僕の親友の母親は、その暴力教師の大ファンであり、「あれほど教育熱心な先生はいない」などと言っていたので「人には色々な物の見方があるものだ」と子供心に思った。
うちの母親などは、彼女のその感性に呆れ果てていたのは言うまでもない。
小此木家のチャーリー君3歳
小此木 啓吾先生の多くの著作の1つに、「エディプスと阿闍世」という本がある。実は、この本を発売当時に買い今でもうちの本棚にある。
この当時に買った本で、読まずにそのままというのはあまりない。当時、「阿闍世コンプレックス」という言葉に興味を持ち、数冊だけ小此木先生の本を購入している。
小此木先生については学生時代には全然知らず、卒業後まもなくして、東京で開かれた小さなセミナーの際に初めて本人を見た。小此木先生はそのセミナーのオーガナイザーであった。
なぜ小此木先生かというと、このタイプの本は膨大にあるが、彼の本は特に平易に書かれており、僕でも読めたからである。読めない本を買っても読まないので、有名であっても読めないものはお金の無駄である。
それと小此木先生の書籍は、結構面白いし勉強になる。この本の155ページから、「ヒューマン・アニマル・ボンド 人とペットの交流」という章がある。この中で、小此木先生が当時飼っていたペットの写真が挙げられている。名前はチャーリー君と言うんだそうだ。(最初の写真)
興味のある人はアマゾンで売っているので、買って読んでみるのも良い。中古で400~500円で買える(定価は1600円)。これはハードカバーだが、少し違った仕様のものもあるかもしれない。
この章では、最初にハチ公の話が出てくる。G.ポロック氏のハチ公の取り上げられ方に失望したような内容のことが記載されている。(あまりに日本人のハチ公のイメージと異なっているため)
ペット精神療法についても取り上げられているが、ここでは詳しくは書かない。その際に、小此木氏の家庭で買われているネコの写真が挿入されていたのである。
この本の末尾を見ると、なんと初版本だった(今日、気付いた)。たぶん地方ではあまり売れなかったからだと思われる。
この記事は、実は昨日の教師の記事と少し関係がある。ペットは血圧の低下などの自律神経系に好影響を及ぼす論文がある。
あの教師はひょっとしたら、ペット精神療法が良かったかもしれない。
その理由だが、彼は典型的な「タイプA型パーソナリティ」と思われるから。あれほど暴力的なのに、一部の父兄に熱烈ファンがいたのは、やはり教育熱心な面があったからであろう。彼は結局定年を待たずに心筋梗塞か、くも膜下出血で亡くなっている。
このブログ風に言うと、彼はずっとβ-ブロッカー、例えばインデラルを服薬すべきだったと思う。
もしインデラルを服薬していれば、あのような突然の怒りや暴力も多少は抑えられたであろうし、突然死もしなかったかもしれない。
ジプレキサが合うから統合失調症ということではない話
僕が研修医の頃、セレネースなどのオーソドックスな抗精神病薬をかなりの量飲めるような人は、診断的に「統合失調症」を暗示していると言われることがあった。
これはもちろん厳密に言っているのではなく、診断材料の1つであり、「そのような傾向がある」といった程度の所見である。
過去ログに、いかなる精神疾患でも病勢が重い際、本来薬に弱い人でもかなり薬が飲める傾向があり、いったん増やすと減量が難しくなるタイプの薬もある(あるいはそういう人がいる)と言ったことを記載している。
また、ある程度抗精神病薬を増量しないと、止まる幻聴も止まらないといったことも書いている(病状が重いときに、チンタラ少量で治療することで長期予後が悪くなるなど。あるい「治療に時間がかかると予後が悪くなる」と記載している)。
今回の最初の文章、セレネースと統合失調症の話だが、厳密には正しくないが、参考になるといった経験的な所見と言える。
参考材料と言うのなら、そう否定もできないといったところ。
例えば、広汎性発達障害の場合、いかなる場面でも薬に弱すぎて、大量のセレネースを飲めない人の方が圧倒的に多い。しかし、そうではない人も全くいないわけではないのである。
むしろ、治療者側から診ると、「その膨大な量のセレネースを使いたくなるほどの難治性幻覚の意味」を重視したほうが良い。
セレネースなどの古典的抗精神病薬に比べ、ジプレキサになると一層その傾向が曖昧になる。それは、D2受容体以外への薬理作用が大きいから。
よく意味がわからないかもしれない。言い換えると、
大量のセレネースが飲める人より、最高量のジプレキサが飲める人のほうが診断的に示唆する疾患が広いという意味である。もっと言い換えると、最高量のジプレキサを服薬できる人の診断は、さほど統合失調症を意味しない。
これがセロクエルやエビリファイになると一層その傾向が強まる。このタイプの軽い薬は、現在、適応外処方で統合失調症以外に広く使われており奏功している人も多い。
精神科医が「この患者はセロクエルが600mg服薬できるから統合失調症である」と言ったとしたら、まさにバカであろう。
元々、統合失調症の薬の開発の黎明期には、なるだけピンポイントで効く薬が望まれていた。なぜなら、最初に開発されたコントミンは色々な受容体に作用を及ぼし、その結果、好ましくない副作用が多かったからである。
しかし・・
そのような経緯で開発されたセレネースも、コントミンに比べ副作用の内容が異なるだけで、劇的に優れているとまでは言えなかった。
その後、広く種々のレセプターに及ぼす薬(ダーティードラッグと呼ばれることがある)がむしろ優れていることが見直されたのである。
その究極の薬がクロザリル(クロザピン)であり、それに準じる薬がジプレキサやセロクエルと言える。
コントミンは本来ダーティーに効く薬でもあり、長い経過を経て、ある種の優秀さが見直されたとも言える。ただし、コントミンは非定型抗精神病薬の要素を持たない。(EPSを軽減するメカニズムを持たない)
現代の創薬はむしろ、多くの抗精神病薬があまり作用を及ぼしていない脳のシステムに主作用を持つ薬に焦点が当たっている。もちろん従来型の新薬も今後、開発されるであろうが。
そのあまり作用を及ぼしていないシステム?の1つはNMDA型受容体である。いずれこの受容体にかかわる画期的な抗精神病薬が開発されるであろう。
今は、抗精神病薬は新しい時代の黎明期なんだと思う。黎明期の代表的抗精神病薬こそ、古典的非定型抗精神病薬のリスパダールである。
つまり現代は、「始まりの始まりの終わりかけ」なのである。よく映画や小説で「終わりの始まり」などという縁起の悪い言葉があるが、これとは大違いである。
もう少し時間が経てば、それがはっきりと理解できる時代がやってくると思う。
参考
ポール・ヤンセンとプロピタン
うつ状態の二次妄想に抗精神病薬を使うこと
業務連絡
この度、5月28日の「精神疾患と生活保護受給について」の記事を契機に、コメント欄での誹謗中傷、自作自演、荒らし行為としていた1名をアクセス拒否としました。
その人はコメント欄で名前をいくつか変え、あたかも非難する意見がとても多いように見えるように荒らし行為を続けた上に、同じような内容のアメブロメールを1日に何度も送りつけました。また1日の同一IDのメール回数には制限があるため、数名のIDを取得し、同じようなメールを送りつ続けるなど、悪質なので、そちらの3つのIDもメール受信拒否とします。
その人は元々家族の治療の相談を受けて、数回、助言しており、その結果経過も良いと聞いていましたが、あの内容の記事でここまで荒らし行為を行うのは理解し難いところです。
その理由ですが、あの「精神疾患と生活保護受給について」は、はてなブックマークでも35名のユーザーにブックマークされており、けっこう辛口な「はてなユーザー」でもその荒らしの人の視点ではコメントされていません。(参考)。
このブログは、スパム以外でアクセス禁止にした人は、約6年間に1名しかいませんでした。ほとんど全ての非難、中傷のコメントは容認しており、少々の自作自演も大目にみていたのです。
そんな風にしていると、しばらくすると鎮静していたのですが、この人だけは違うようで、最近も以下のようなメールが来ています。
差出人:○○さん
日付:2012年06月18日 06:40
件名:もしかして法律用語の「悪意」と「善意」を知らないのでしょうか?
そんな気がしました。よっぽどの法律無知ですね。今後、2度と時事問題を取り上げないでください。お仲間の「医師」全体の恥さらしですので。
差出人:○○さん
日付:2012年06月17日 04:46
件名:中途半端は嫌いです
音沙汰無しなら「ふーん」で終わります。中途半端に日記にメッセージを混ぜるのでムカつきます。直接言え。直接かかって来い。「あなたとのやり取りはこれで終わりです」でいいから直接言え。
差出人:○○さん
日付:2012年06月17日 02:25
件名:感性に呆れながらも、無職との会話お疲れ様です。
(内容は省略)
最近の体育教師のエントリは、あの荒らし行為のメッセージとしてアップしていないのは読者の皆さんはわかると思います。こんなことを言われると、日記のような記事もアップしにくくなります。今後もそういう関係付けがありそうですし。(このような人はインターネットに向いていないと思うよ。過去ログにインターネットはメンタルヘルスに有害と言った記事もある)
過去にアクセス拒否にした人については2008-09-25の業務連絡にある。このコメント欄をよく読んでほしい。最後にコメントした読者Bさんが全てを言い尽くしていると思う。
42 ■>>9
>>一読者さん
そうでしょうか?私はそうは思いません。どうして仕事でも無く、誹謗中傷の記事でもないのに、辛辣なメールを送られるのを我慢しなければならないのでしょう?
メールは公開してはいけないのですか?メールで誹謗中傷するのは、送信者が他人から非難されるのを避けているからだと簡単に想像がつきそうなものです。拙い感想ですが、今回の件は、当事者たちが自分を省みることができない特徴をさらけ出してしまったようなものじゃないでしょうか。そして最後に、人間性が透けてみえるとありますが、本当にその通りですね。
読者B 2008-09-26 10:01:52 >>このコメントに返信
以下、同一人物による荒らし行為のコメント全てです。
「精神疾患と生活保護受給について」から
10 ■でもね
私は虐待を受けて育ったので両親の面倒はみません。でもね、この人は「母さんありがとう」みたいな本まで出して儲けたくせに養わないとか、そらCMなくなるよ。本当に生活保護を受けるべき人の受給に悪影響が出ないかが心配だ。
ち~やんさんは河本さんの190万円の高級時計の行方も心配してあげてください。
あ 2012-05-29 04:12:29 >>このコメントに返信
11 ■Re:でもね
[河本 高級時計]で検索してからこの問題を考えましょう。
い 2012-05-29 04:18:22 >>このコメントに返信
32 ■高額納税者kyupin先生の
本音はここの部分↓
>彼の税金の額から考えると、母親の受給額は彼が援助をしているのなら誤差範囲である。
でも自分が叩かれるのは嫌だから
>(わけはないか・・)。
をつけたしました☆
以下kyupin擁護と私叩きが始まります↓ 2012-05-29 15:53:35 >>このコメントに返信
35 ■読者様のスルーに負けました
この事案は
・彼が母をネタにした本の出版により何千万の儲けを出していたこと
・成人が自ら選んだ職業であるはずなのに「不安定さ」を言い訳にしたこと(今の時代は民間企業も自営業も安定なんてありえない)
・自らが裕福な暮らしをTVで披露したためネットに半永久保存され、結果として国民の感情を逆なでしてしまったことなどがポイントとしてあげられる。
kyupin先生はこれらの情報を知らずにこの記事を書いてしまったのではないだろうか。だから私もkyupin先生が河本氏に理解の感情を示したことに関して言えば、kyupin先生は「ボケッとしていただけで、おそらく悪意はなかったのではないか?と言う考え方をしている」よ。
以下kyupin擁護と私叩きが始まります↓ 2012-05-29 20:18:24 >>このコメントに返信
44 ■kyupin先生、朗報です!!
東京大学法学部卒業の城繁幸さんが
「河本は所得税だけで1500万円ほどは払っているはず、母親が200万生保受給なら1500-200=1300万円ほど社会に貢献している。素晴らしい! 自民党は芸人叩きショーやめろ」(BLOGOS)
と言っています。
まさにkyupin先生の「次長の年収5000万円が事実だとすると、相当な額の税金を納めていると思われる。だから、このくらい納めていれば、母親が多少援助を受けていても問題ないと思ったのかもしれない。彼の税金の額から考えると、母親の受給額は彼が援助をしているのなら誤差範囲である。」と全く同じ理論です。
日中に書き込める(自分も人のこといえないけど)ような人間の言い分に騙されないでください。高学歴、しかも法学部の方が仰っていることと同じです。kyupin先生は法律に関してもプロフェッショナルなんですね!!!
河本さんを応援します 2012-05-30 12:31:20 >>このコメントに返信
45 ■他所から引用させてもらったよ
216:名無しさん@恐縮です2012/05/23(水) 02:21:05.07 ID:rINBKl3rP
>>1の文章見れば判るように
本文に入る前の導入が長いだろ?
で自分の主張が正しいようにながなが誘導するんだけどそこらへんが下手なので話を自分の主張する点に誘導する前に論理的に力尽きちゃう。でも本人はプライド高いから、これでOKだと思っちゃってる自尊心の高いインテリバカに多い、簡潔明瞭さに欠ける人間で自分が論理破綻すると攻撃性をむき出しにするタイプ。 簡単に言うならば「話が長いくせに、実が入って無いやつ」
名前なし 2012-05-30 13:22:20 >>このコメントに返信
46 ■おっとこれも
123:名無しさん@恐縮です2012/05/23(水) 01:36:46.22 ID:fE6ctd0/0
>>1
その理屈だと、1500万払ってないといけないところを
1300万しか払っていないことになるだろ。
200万の脱税
名前なし 2012-05-30 13:24:28 >>このコメントに返信
47 ■つまりはね
kyupinは下の理論を「擁護はしないが理解は出来る」と言ってしまったんだ。全国の精神科医が泣いてるよ。
33:名無しさん@恐縮です2012/05/23(水) 01:08:33.28 ID:gMIjbR190
前スレのMVP
19 名前:名無しさん@恐縮です[] 投稿日:2012/05/22(火) 13:52:49.63 ID:MJutBqo70 [1/4]
毎日買い物してるスーパーでたまに万引きしても良いってことか?
名前なし 2012-05-30 13:40:41 >>このコメントに返信
48 ■毎日買い物してるスーパーでたまに万引きしても良いwww
笑わせてもらいました。どの意見が正しいとかどうでもよくなってきたよ。いづれにせよ、不特定多数が閲覧するブログにおいてkyuupin先生が
>彼の税金の額から考えると、母親の受給額は彼が援助をしているのなら誤差範囲である。
と書いたことに変わりはないのでねw
ただ、これだけの反響をよんだんだ。せめて記事の最後に追記として(この記事は様々な意見が出ました。コメント欄を参照してください。)って赤字で書いてもらいたいな。
「悪意の無い」kyupin先生が謝罪する必要ないもんね。
以下kyupin擁護と私叩きが始まります↓ 2012-05-30 14:48:20 >>このコメントに返信
50 ■無題
本当だw
ってことはもしkyupinの病院に毎週通っていたとして一回くらい診療費を踏み倒しても、普段の貢献がハンパないから誤差なんだw
通り雨 2012-05-30 17:17:09 >>このコメントに返信
52 ■Re:心は貴族
>心は貴族さん
精神科に通う方々と読者の大半の方を侮辱するのは止めれw
お前w 2012-05-31 14:18:45 >>このコメントに返信
60 ■無題
「河本問題」の本質は、「法的、あるいは社会的な善悪」ではない。河本の「もらえるものはもらっておけばいい」ともとれる考え方への反発だろう。
※週刊ポスト2012年6月15日号
う 2012-06-04 16:08:03 >>このコメントに返信
61 ■無題
たけしは、自身の番組内や東京スポーツ新聞紙上で、この生活保護受給問題に触れ、「病気とか体が悪くて働けないのは別として、働かないヤツが 生活保護費もらうのはおかしい」と発言。「最近は『もらわなきゃ損』みたいな考え方になっちゃってる」とこの問題の本質を憂いながら、「好きで芸人やってるんだから、どんなに食えなくてもバイトでもなんでもすればいい」「お笑いとかそういう人たちは、頑張って好きな仕事をやるために、いろんな仕事を逆にやって、支えなきゃおかしいんじゃない」と指摘する。
好きで芸人やってます 2012-06-05 21:25:04 >>このコメントに返信
65 ■そう不正受給は警察に捕まるよ
住所を偽り、大阪府和泉市から生活保護費約270万円をだまし取ったとして、府警捜査4課と
和泉署は10日、詐欺容疑で、山口組系暴力団幹部、金子勲容疑者(37)=大阪市中央区松屋町= と母親の山口美代子容疑者(67)=和泉市肥子町=を逮捕した。2人は平成16年以降、和泉市から 総額約1千万円の生活保護費を受け取っており、府警は大半が不正受給だったとみて調べる。 逮捕容疑は22年1月、金子容疑者が山口容疑者と和泉市内で同居すると偽り、市役所に生活保護 の受給変更を申請。同年2~10月、引っ越し代や生活扶助費など計268万円をだまし取ったとしている。 府警によると、山口容疑者は16年5月から、金子容疑者は20年12月から生活保護を受給。 金子容疑者は21年8月から、大阪市中央区の家賃月額31万円のタワーマンションに居住していたが、 2人は和泉市内のマンションに他の同居人らと住んでいるとうそをつき、月30万円以上の保護費を 受給していたという。
▽産経ニュース
通り雨 2012-06-13 12:50:09 >>このコメントに返信
67 ■テレビ朝日
6月17日(日)「池上彰の学べるニュース」
【そうだったのか!生活保護】
日本の国家予算の1/30を超える巨大なお金が投じられている生活保護。しかし、そこには問題が山積みと言われています。働くより生活保護をもらったほうが得という不公平感。不正受給の驚くべき実例。また受給を判定するケースワーカーの人員不足が深刻化している問題も。一方で、制度がうまく運用されないと本当に生活保護が必要な人が大迷惑、という実態も忘れてはいけません。そこで今回は各国の生活保護制度も紹介。そこから日本の生活保護制度改革のヒントを探します。
本文はテレビ朝日公式HPより引用 2012-06-16 23:04:47 >>このコメントに返信
体育教師が小学生を殴った話の記事から
25 ■無題
ttp://ameblo.jp/kyupin/entry-10088284819.html
>社会的地位がある人に、医師が子供のような意地を張るのはそれを見抜かれそうで、大人気ないのが気恥ずかしいからと思う。社会的地位のある彼の父親はこれの反対だったんでしょうね。
大学卒業して直ぐ先生と呼ばれ、社会人という経験をしていない体育の先生に文句言ってもなぁ…みたいな。
まさに
>つまらないことで意地を張るのは、そのレベルで争っているとしか思えない。ということ。
人徳のあるお方だったのでしょう。
ゆとりでもチョークは飛んだ 2012-06-16 23:24:09 >>このコメントに返信
視線の記事から。
42 ■無題
こういう人と会話しようとしてたのか…orz
大 2012-06-17 03:42:56 >>このコメントに返信
線維筋痛症の女性患者①
今日からある線維筋痛症の女性患者さんの治療経過をアップする予定。彼女は種々の薬を試みており、それらのエビデンスと推奨度も含め紹介したい。少しずつ解説を交えて進めるため、①から何番までいくか今のところ不明。
そのため、しばらく線維筋痛症や慢性疼痛の話ばかりになるが、向精神薬の話が中心なので、疼痛のない人にも参考になると思う。
彼女は、今から10年ほど前に不安感や、うつ状態、不眠で心療内科クリニックに初診している。
当時、全身倦怠感が酷く、精神面でも一時も落ち着けない状態だった。その後、8年ほどして精神科病院に転医しリフレックスを主体に治療されている。転院時の処方。
リフレックス 45mg
ソラナックス 2.4mg
ワイパックス 3mg
コントミン 50mg
ロヒプノール 2mg
ベンザリン 10mg
ロラメット 2mg
ユーロジン 4mg
レンドルミン 0.5mg
他、下剤。
抗不安薬、眠剤が相当に多いがこれでも全然眠れないという。不眠時にはコントミンを50mg屯用で服薬するように言われていた。
とにかく、不安感や不眠が酷く、リウマチによる痛みもある。関節も痛いがどこと言わず痛いため、どことはいえないと言う。パニックも時々出るらしい。若い頃リストカットがあったが今はない。初診時、診察室では、きつさと疼痛のために泣き出すような状態であった。
転院時の処方は数種類のベンゾジアゼピンが入っており、それでもなお不眠が酷く、またパニックも出ているのが問題。リフレックスも最高量入っているが、うつ、疼痛、不安ともに効果的とは言いがたい。
リフレックスは漸減することにし、アンプリット、ルジオミール、エビリファイ、リボトリールを併用する。なお、リフレックスは線維筋痛症に有効な薬物で、エビデンスⅡb、推奨度B(日本でもB)と最高に近い。この人には効いていないが。
アンプリットを選んだ理由だが、トリプタノールやアナフラニールより服薬しやすい上に、パニックに有効だからである。(ただしレセプト上、適応はない)。ルジオミールは眠剤的に追加している。少量のエビリファイはうつに対して処方したと思うが意図はよく憶えていない。
リボトリールは筋緊張が亢進しているタイプの線維筋痛症に推奨されている。抗てんかん薬の中では使いやすいというのもある。なお、リボトリールはエビデンスⅣ、推奨度Cである。0.5mgから開始し、せいぜい1.5~2mgを維持量とし、大量に使わない方が良いとされている。
アンプリット 50mg
リボトリール 1mg
ルジオミール 25mg
エビリファイ 3ml
当初の処方は漸減することにする。本人に急激に中止することを禁じ、優先順位を決めて減量するように指示。外来では、可能なら毎日アナフラニール(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)の点滴に来るように指導。
アナフラニール 8mg点滴静注。
しかし、毎日は点滴に来られないと言うため、2日で中止している。やる気が起きず不眠も酷い。
3時間でも良いから眠りたいと言う。
ブロバリン、イソミタールを併用。(ベンゾジアゼピンやコントミンを増やしてもキリがないため)
ブロバリン 0.4
イソミタール0.1
その後、イソミタールを0.2gまで増量。エビリファイは1日6mlとし3mlずつ朝、夕に服薬するように指導する。
解説
元々、海外では線維筋痛症に対し、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は推奨されていない。その理由は有効性を示す証拠がないことと、転倒や骨折の増加、認知機能の低下などを来たすからである。もちろん依存性も考慮されている(推奨度D)。
しかし日本では、ベンゾジアゼピン抗不安薬はあまり抵抗なく処方されることもあり、推奨度がCと海外より1ランク高い。CとDでは大違いである。海外ではベンゾジアゼピン抗不安薬を使う代わりに不安などには抗うつ剤、不眠には、抗うつ剤、抗精神病薬や抗てんかん薬、非ベンソジアゼピン系眠剤を推奨している。
以下は線維筋痛症の不眠に対する治療薬のまとめ。
抗うつ剤
リフレックス(エビデンスⅡb、推奨度B、日本でもB)
疼痛、睡眠をともに改善する。
レスリン(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
その他、ルジオミール(エビデンスⅡa 推奨度C 日本もC)、トリプタノール(エビデンスⅠ 推奨度A 日本はB)などの抗うつ剤も不眠に対し治療的である。
なお、サインバルタ、トレドミン、パキシル、ジェイゾロフト、デプロメールも線維筋痛症に有効な抗うつ剤だが、不眠に対しては効果が乏しいか、かえって不眠になるため今回は取り上げない。
抗精神病薬
コントミン(エビデンスⅡb 推奨度B 日本はC)
睡眠、疼痛、気分に対し有効という研究あり。
レボトミン(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
疼痛は改善しないが、睡眠の質を改善する。
ジプレキサ(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
5~20mgで有意に、疼痛、活動レベル、睡眠を改善する。
セロクエル(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
疼痛は改善しない。疾患の活動性を改善。(経験的には睡眠を改善しそうに思われる)
抗てんかん薬
ガバペン(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)
1200~2400mgで有意に疼痛、生活の質を改善する。ただし単独処方できない。
リリカ(エビデンスⅠ 推奨度A 日本はB)
リリカは疼痛に対する薬物だが、海外では抗てんかん薬の適応もある。睡眠、疼痛、生活の質のいずれも改善する。
一般に慢性疼痛に対し、テグレトール、アレビアチン、トピナ、ラミクタールは有効であるか、非常に効くことがある。ここでは不眠がテーマなので割愛。
睡眠薬
眠剤は非ベンゾジアゼピンのアモバン(あるいはルネスタ)、マイスリーを推奨している。
アモバン(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)
疼痛や睡眠の質は改善しないが、日中の疲労感や覚醒回数を有意に改善したという研究がある。
マイスリー(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)
疼痛や睡眠の質を改善しないが、睡眠時間や日中の活力を改善したという研究がある。
その他
メスチノン(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)
重症筋無力症の治療薬。疼痛や生活の質を改善しないが、不安や不眠を改善したと言うアメリカの研究がある。
テルネリン(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
睡眠状態、疼痛、生活の質を改善。
エビスタ(エビデンスⅡa 推奨度B 日本でもB)
エビスタは選択的エストロゲンモジュレーターと呼ばれ、骨・脂質代謝にはアゴニストとして、子宮内膜、乳房組織にはアンタゴニストとして作用する骨粗鬆症治療薬である。閉経後の線維筋痛症の患者に限り研究が行われ、疼痛、倦怠感、睡眠障害、全般的健康評価に有効であったとされる。しかし、エビスタで深部静脈血栓症も生じており、動けない患者には注意を要する。
エビデンスレベルⅠ~Ⅴについて
ランクⅠ
Systemic review、メタ解析によるデータ。
ランクⅡa
1つ以上のランダム化試験によるデータ。
ランクⅡb
非ランダム化データによるデータ。
ランクⅢ
分析疾病学的研究によるデータ。
ランクⅣ
記述疾病学的研究によるデータ。(何例中何例が有効だったなど)
ランクⅤ
患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見。
推奨度
A 行うように強く勧められる。
B 行うように勧められる。
C 行うように勧めるだけの根拠が明確でない。
D 行わないように勧められる。
(続く)
参考
線維筋痛症のテーマ
線維筋痛症とパニック②
線維筋痛症の女性患者①の続き。
初診2週間
ブロバリンとイソミタールでだいぶん眠れるようになった。眠れるので少し楽です。今はドーンと落ち込まない。今は4時間は眠れている。少しパニックは増えているような気がする。しかし、前の病院の時よりずっと良いです。エビリファイは気分がスキッとする感じがありますね。
アンプリットを増量する。2週間でイソミタールを追加し、かなり整理できた。リフレックスは彼女にとって効果が乏しく意味がないので中止する。
アンプリット 75mg↑
リボトリール 1mg
エビリファイ液 6cc
ルジオミール 25mg
ブロバリン 0.4
イソミタール 0.2
ロヒプノール 2mg
ユーロジン 2mg
3週間目
最近、パニックが多い。※
頭が混乱します。エビリファイ液のせいか日中の落ち込みが減ってきた。
アンプリットとリボトリールを増量する。1週間ごとの通院を希望。転院以降、調子が良いという。
アンプリット 100mg↑
リボトリール 2mg↑
(他変更なし)
1ヶ月
まだあまり眠れない日もある。気分の落ち込みはありますね。しかし、パニックの回数が減ってきた。日中の不安感が減った。エビリファイは動けるようになるのが良いです。あれを服用すると、少し楽になる感じがある。リフレックスを3錠飲んでいた頃は焦燥感があったが、今はないという。家事も少しできるようになった。ロヒプノール増量。このタイプの人は経験的にロヒプノールが良い。
ロヒプノール 4mg↑
(他変更なし)
35日目
パニックが全くなくなった。エビリファイを飲むとさっと楽になる感じです。少し落ち込むことも減っている。
42日目
最近は良く眠れている。眠れるだけで全然違います。朝がきちんと起きられるようになった。顔色も焦燥感が減ってゆったりしてみえる。約1ヶ月半で急激に改善している。痛みは減っているが手首を中心に疼痛は残っている。リリカを併用してみる。75mgから開始。
アンプリット 100mg
リボトリール 2mg
エビリファイ液 6cc
ルジオミール 25mg
ブロバリン 0.4
イソミタール 0.2
ロヒプノール 4mg
ユーロジン 2mg
リリカ 75mg↑
約2ヶ月
エビリファイを飲む前はいろいろ考え込むことが多かったが、今はあまり考えなくなったですね。落ち込むのもずいぶんと減った。飲んでいる薬で副作用はあまり感じない。痛みにリリカが効いている。トピナを25mgだけ追加してみる。
トピナ 25mg追加
(他変更なし)
2ヶ月半
トピナは良くなかったらしい。すぐに中止。気分が悪くなったり立ちくらみがあったりした。今は痛みが全くなくなっているという。眠りは良い。体重は全然増えない(彼女はどちらかというと痩せ型)。日中の眠気はないです。
3ヶ月目
先週は少し落ち込む日もあったが、今日は楽。
痛みが全く出ていない。先週は1週間ほど食欲がなく、また友人の悩みを聴いて相談に乗ってあげたら調子を崩した。
最近は夜は眠れるし、昼もずっと起きていられる。パニックがめったにないがたまにある。リリカを飲み始めて、体がスムーズに動かせるようになり部屋を片付けられるようになった。今は家の中はすごく綺麗です。(2人で笑う)。エビリファイを液剤から錠剤へ。(1日3mlを2本から3mg2錠へ)
参考
日本では線維筋痛症に対し抗精神病薬に限れば5剤しか推奨されていない。それは、コントミン、レボトミン、ジプレキサ、セロクエルに加え、ドグマチールである。
コントミン(エビデンスⅡb 推奨度B 日本はC)
レボトミン(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
ジプレキサ(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
セロクエル(エビデンスⅣ 推奨度B 日本はC)
ドグマチール(日本のみ エビデンスⅤ、推奨度C)
彼女には初診時からエビリファイを処方している。エビリファイはあまり研究がないが、少量では抗うつ作用を持ち、疼痛に多少は効いておかしくない。
しかし、疼痛には主に抗うつ剤や抗てんかん薬(リリカなど)を使う予定だったので、たぶん違う目的で処方したと思われる。(第一感で処方したのだが、なぜ処方したのか思い出せない)。
上の経過をみると、彼女は「以前より体が動くようになった」などエビリファイに好印象を持っている。これは色々な考え方があるが、弱いカタトニア様症状にエビリファイが効いたのかもしれない。最初、エビリファイ錠ではなく液剤を使ったのは、不眠が強いため多少は鎮静的に作用させようと考えたこともあったと思う。
また別の見方をすると、線維筋痛症はADHDと関係が深いと言われており、軽いタイプの抗精神病薬のエビリファイが良かったという解釈もできる。
彼女は第一印象は、セロクエルかエビリファイといった感じだった。たぶん、睡眠にはイソミタールまで使うつもりだったので、賦活目的でエビリファイを処方したような気もする。エビリファイは彼女の生活の質を改善している。
最近、パニックが多い。※
治療初期にかえって発作が増えた経過は非常に興味深い。元々古いタイプの抗うつ剤では、アナフラニールやアンプリットはパニックに相性が良く治療的である。一方、トリプタノールは疼痛には良いが、パニックに有効とまでは言えず、副作用の関係から、最初から処方するには重過ぎる。そのような感覚からアンプリットを使ったものと思う。(アンプリットの方が忍容性が高く、最初に使うには適しているという意味)
このブログ的には、パニックは器質性所見であり、過去ログでは「てんかんを治療する感覚で進めると良い方向に行く」などと記載している。
旧来の抗てんかん薬からイーケプラなどの新規抗てんかん薬に切り替えると、当初、発作回数がむしろ増えることがある。しかし効いている場合、その発作の内容が改善する。
つまり発作のスケールが小さくなる。例えば、発作があると1日中頭が痛いとか、ほとんど動けないほどの身体的ダメージがあった人が、発作が起こっても頭痛がないとか、発作による日常生活への影響が小さくなると言う。このような人は、発作が増えたとしても新規抗てんかん薬を歓迎する。そのうち、次第に発作回数が減少するのである。(この際に組み合わせる旧来の抗てんかん薬の選択も重要)。
彼女のパニックの改善のパターンは、新規抗てんかん薬のてんかんの治療経過に少し似ている。
また、この「パニックがいったん増えたこと」は別の解釈も可能である。例えば、ブプロピオンは不安に効果が乏しく、パニック発作をかえって増やすこと稀ではない。エビリファイは少量ではドパミンレセプターにアゴニスト的に働くため、かえってパニックを悪化させてもおかしくない。しかし次第に改善している経過を見ると、この考え方はやや弱い。
また、リフレックスの離脱のためパニックが増加したという考え方もできるが、これも同時にアンプリットなどを結構増やしているので考えにくいと思う。
その後、疼痛に対しリリカを追加している。
線維筋痛症の疼痛に対し、強力に効く薬が5剤ある。それは、リリカ、サインバルタ、トレドミン、トリプタノール、トラムセットである。この5剤は利点も欠点もあるので、その患者さんの状況に合わせて選ぶが、副作用を考慮し、どれも使わず他の薬を使うことも可能。
リリカ(エビデンスⅠ 推奨度A)
サインバルタ(エビデンスⅠ 推奨度A)
トレドミン(エビデンスⅠ 推奨度A)
トリプタノール(エビデンスⅠ 推奨度A)
トラムセット(以下参照)
上記は海外の評価であり、日本では正式に線維筋痛症の適応を持つ薬物はないため、推奨度Aの薬物はなく、Bが最高である。なお、トレドミンのみ日本でのエビデンスはⅡaである。
アメリカFDAはサインバルタ、トレドミン、リリカの線維筋痛症への処方を認めているが、ヨーロッパでは申請が却下されたという。その理由は、副作用の問題や短期成績があまり良くない上に、長期成績が示されていないため。
トラムセットはアセトアミノフェンとトラマドールの合剤である。トラマドールは癌の疼痛に使われるオピオイドで、これがかなり薄められてトラムセットに含まれている。トラマドールは弱オピオイドで日本では癌性疼痛などに適応があり、麻薬の指定を受けていない。トラマドール(商品名はトラマール)のエビデンスはⅡa、推奨度はBである(日本でもB)。トラマドールの力価はモルヒネの5分の1である。(参考)
トラムセットの本邦の適応
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛
①非がん性慢性疼痛
②抜歯後の疼痛
上記の経過中、トピナをいったん使ってすぐに中止している。トピナやラミクタールは一般に疼痛に対し有効なことが知られている。ただ、精神症状の悪化を来たしやすいトピナに比べ、ラミクタールはうつに有効なので、このタイプの患者さんには使いやすい。
彼女の場合、むしろトピナの方が処方しやすかったのでまず試みている。その理由だが、既にかなりの量の抗うつ剤を使っていることと、線維筋痛症の発病の経緯を考慮している(他の記事で触れる予定)。
過去にリエゾンで、慢性疼痛に対しサインバルタ、リリカ、モルヒネよりラミクタールの方がはるかに効いた人が数人いる。
このような薬物はまず使ってみないとわからないと思う。なお、線維筋痛症ではラミクタール、トピナは治療薬として推奨されていない。
(続く)
線維筋痛症の薬物の推奨度と忍容性③
線維筋痛症とパニック②の続き。
この患者さんは服薬はしているようであるが、来院する曜日が決まっていなかった。初診後5ヶ月目頃から来院が不規則になり、自分が連続して診ていなかった。
どこかで書いたと思うが、いつも同じ医師に見てもらわないと、薬を変更すべき日にそれができない。真剣に治療しようと思うなら、規則正しく同じ曜日に再診すべきと思う。
3ヶ月半
最近、少し落ち込み気味で、食欲もない。しかし今はよく眠れているらしい。パニックはたまにあるが酷くはない。働けないので、時々罪悪感に襲われる。
(薬は変更なし)
4ヶ月
急に首のリンパ節が腫れた。(←重要)
食欲は前よりは出てきた。表情は以前に比べ明るくなっている。不眠や痛みが全くない。頭の中がクリアになっている。今は落ちてもどん底までいかず、途中で止まる。落ち込み方が浅いですね。また1週間くらいで元に戻れる。リウマチの朝のこわばりがなくなった。資格が取れるように最近、勉強している。
5ヶ月
風邪がずっと抜けず、動くのが億劫になった。今は無気力です。(このタイプの疾患は風邪や肺炎は病状を悪化させる)
その後、3ヶ月ほど連続して自分がいない日に再診したため、診ることがなかった。(服薬はそのまま)。彼女は来院が不規則だが、内服薬は続けているようである。
8ヵ月後
痛みはあまりないが、気分が沈んでいる。全てがどうでも良いといった感じ。眠りも悪い。希死念慮があるという。ベゲタミンは使ったことがないらしい。うつ状態にサインバルタを追加する。補助的にワッサーVを併用。薬が多くなったが、疼痛を含め、日々の過ごしやすさを考えると仕方がない。
アンプリット 100mg
サインバルタ 20mg↑
リボトリール 2mg
エビリファイ 6mg
ルジオミール 25mg
ブロバリン 0.4
イソミタール 0.2
ベゲタミンA 1T↑
ロヒプノール 4mg
ユーロジン 2mg
リリカ 75mg
ワッサーV 1.0
8ヶ月半
ベゲタミンはとても眠くて、1日うつらうつらしていた。サインバルタはたぶん副作用はないです。若干沈む感じが減ったという。今は痛みはなく、こわばりもない。
サインバルタを増量しアンプリットを漸減する方針とする。ベゲタミンAはベゲタミンBに変更(減量)。
アンプリット 75mg↓
サインバルタ 40mg↑
ベゲタミンB 1T↓
他変更なし。
9ヶ月目
サインバルタが2つになり、断然動けるようになった。今はできないこともなく、何でも早めにできる感じです。意欲が出てきた。副作用はない。日中は眠いほどではないが、少しボーっとする感じはあります。気持ちがだいぶ楽になっている。今は痛みはない。
9ヵ月半
ようやく先が見えてきた。今は前向きになれています。
10ヶ月
気分が落ち込むという。最近はほとんど動けなくなっている。食欲も減っていると言う。
サインバルタでは彼女のように最初は良いが、効果が減弱する人が少なからずいる。(参考)
食欲が減ったのは、サインバルタによるSSRI様の薬理作用である。サインバルタを諦め、20mgに減量し漸減中止とする。
サインバルタは、このような際にいったん中止してみることは、どの程度うつや疼痛に効いていたかがわかるし今後の治療の参考になる。
トリプタノールを追加し徐々にアンプリットと切り替える方針とする。トリプタノールは服用できるなら彼女のように食が細い人には良い。エビリファイはもはや意味がないようなので中止する。
サインバルタ 20mg↓
トリプタノール 50mg↑
エビリファイ中止。
(他変更なし。)
11ヶ月目
薬(トリプタノール)が増えて、よく眠れるようになった。以前に比べよく食べるという。
解説
慢性疼痛系疾患に限らず、精神疾患は時間が経つと、薬の効果が不足しているように見えたり、あるいは腰折れしているように見える経過が少なからずある。
特に疼痛系疾患は、当初は良い感じで疼痛を抑えていたのに、数ヶ月して疼痛が再燃する傾向がみられる。例えば、過去ログでもリリカは製薬会社の宣伝とは異なり、時間が経つと少し効果が落ちるといった記載もしている。
つまり、一筋縄ではいかない。
元々、精神疾患の予後は数年診ないとわからないと思う。よく精神科の雑誌で、「○○が奏功した1例」などの症例報告があるが、発売日にはその患者さんは悪化して再入院しているとか、笑えない話があるのではないかと思われる。
過去ログでは広汎性発達障害の治療の際に、パキシルで1~2年のロングフライトが生じうると記載している。これはロングフライト中は明らかに奏功しているように見えるのがポイントであろう。(最終的に中止する経過になりやすい)。
今回、彼女はサインバルタで疼痛、抑うつも明らかに奏功していた時期があった。しかし時間が経つと動けなくなったのである。これはSSRI的なセロトニンの悪影響であり、いったん中止を決断している。
つまり個人差があり、エビデンスⅠ、推奨度がAだったとしても不適切なものは不適切なのである。
これは基本的に線維筋痛症の人たちがそれほど忍容性が高くないことを示している。
参考
サインバルタとSSRI
広汎性発達障害はなぜSSRIではうまくいかないのか?
線維筋痛症と身体症状④
線維筋痛症の薬物の推奨度と忍容性③の続き。
1年目
2週間ほど、あまり外に出られない時期があった。今もよくない。痛みは腕の付け根が痛い。リリカのボケはあまりなくなっているが、多少は忘れる。
以前より表情は良くなっているが・・
サインバルタを中止しトリプタノール主体とする。これなら3環系抗うつ剤の方が遥かに良い。今回はアンプリットではなくトリプタノールを選ぶ。
精神科では薬物治療を続けているうちに、かつては副作用のために服用できなかった薬が服用できるようになる傾向がある。つまりその人の薬の忍容性は次第に変わっていく。
リリカは150mgまで増量。ワッサーVを中止し活性型ビタミンB6製剤のみとする。トリプタノールを主体にしたため、一部を就前に服用させ、ルジオミールは中止する。
リボトリール 2mg
トリプタノール 125mg↑
ブロバリン 0.4
イソミタール 0.2
ベゲタミンB 1T
ロヒプノール 4mg
ユーロジン 2mg
リリカ 150mg↑
ピドキサール 60mg(活性型ビタミンB6製剤)
1年と2週間
痛みはないけどリリカで転ぶ。平衡感覚がとても悪くなるという。トリプタノールは便秘になるが、気分はとても良いらしい。元気になりますという。とにかくボケが激しい。
リリカによる平衡感覚と認知に対する悪影響が酷いため減量する。平衡感覚の改善に対し、一時的にツムラ17を併用。痛みを考慮しリリカは急には中止しない。(基本的に、抗てんかん薬は急激に中止しない方が良い)
リリカ 100mgまで減量。
ツムラ17 7.5
追加。他変更なし。
1年2ヶ月
今は痛みは全くない。しかし日付の感覚がない。直前のことを忘れている。
リリカは継続が難しいため中止。トラムセットに変更する。同時にツムラ17も中止。トラムセットは比較的最近に発売されており、まだ1年経っていない(ようやく1年くらい)。リリカは特に精神科の患者さんでは肥満や過食が生じることがあるが、トラムセットにはそれがない。
トラムセットは日本でのエビデンスはⅡa、推奨度Bである。
リボトリール 2mg
トリプタノール 125mg
ブロバリン 0.4
イソミタール 0.2
ベゲタミンB 1T
ロヒプノール 4mg
ユーロジン 2mg
トラムセット 3T
ピドキサール 60mg(活性型ビタミンB6製剤)
解説
リリカは、線維筋痛症に最も定番の薬と言えるが、リリカのエントリで記載している通り、認知に対する副作用が結構多く副作用で服薬できない人もいる。中毒疹はないわけではないが、比較的稀である。過去ログで「リリカで自転車が乗りにくくなる」という記載があるが、その人と今回の人は別人。彼女は普通に歩いていて転んでいる。
サインバルタやリリカはエビデンス、推奨度とも最高レベルであるが、この人には継続できないために不適切である。一方、服薬が容易でないように見えるトリプタノールは125mg服薬しても眠さ、尿閉などの自律神経症状、肥満などの副作用が全く出ていない。
やはり使ってみないとわからないのである。
エビデンスについては日本の場合、たくさんの研究がされているわけではないので、推奨度の方が重要である。推奨度の比較的高い薬物をその患者さんに試していく方針が良い。人によっては、推奨度が低いものでも非常に有効なことがあるが、優先順序を考えない治療方針は相手が疼痛だけにお薦めできない。
またこの人はサインバルタやリリカで中毒疹が出て中止したわけではないので、将来的に使えないとまでは言えない。サインバルタは少量使えば、補助的に良いかもしれないと思う。それはリリカも同様である。
なお、線維筋痛症では、口腔内の症状として、口腔内乾燥、口内炎、舌炎などが診られることがあるが、これらに総合ビタミン剤は有効である。元々、腰痛などにビタミンB12などを静注すると痛みが緩和する。また口内炎にビタミンB12は有効である。また、舌炎には活性型ビタミンB6製剤が有効なので、このタイプの患者さんはビタミンB群は疼痛には効かなかったとしても補助的に有効である。また多く摂り過ぎたとしても、尿で出てしまう。(水溶性のため。過去ログ参照)
色々な症状の面倒を診ていると、どうしても薬が増える。この人はこれでも、あまり服用していない方である。(リウマチの薬をもはや服用していないため)。
前回、リンパ節が腫れた事件を記載している。あのリンパ節腫脹を契機に、次第にリウマチの血液所見や臨床所見が消失し、整形外科医からリウマチは治癒していると言われたと言う。彼女は10年以上、リウマチだったのである(リウマチの専門医の診断)。
つまり・・
身体と精神(脳)は極めて関係が深く、移行や揺り戻しが常に生じていると診ることもできる。過去ログには、このような話は山ほど出て来ている。
器質性疾患、非定型な病態においては身体も精神もない。
あの「リンパ節腫脹及び感冒様症状の遷延」こそ、彼女の大きなホメオスタシスの変化のほんの一部を表現しているように思われる。
彼女にとって、一時的な悪化ですら、快方に向かう1ページなのかもしれない。
(続く)
参考
リリカ
PR: ポラスの分譲住宅「アーバンプロムナード船橋III」
線維筋痛症の診断基準について⑤
「線維筋痛症と身体症状④」の続き。
今回は症状の推移についてはそれほど触れず、線維筋痛症の診断基準や性格傾向などについて雑感的に書いていきたい。
彼女のその後だが、トラムセットを処方以降はあまり変化がない。疼痛については、概ね消退しているが、周期的に落ち込むことがあるといったところ。
ただ、一連の精神科治療が関係しているかどうかは不明だが、リウマチが治癒したのは大きいと思われる。ただし彼女自身は、リウマチが治癒したことはあまり重大には思っていないように見える。資格を取れるように勉強していると言った話も聴くし、ADLがかなり改善しているのは間違いない。
彼女に、
以前の健康な時を100%としたら、今は何%くらいでしょうか?
と聞くと、65%くらいと答えた。この65%と言ったことこそ、線維筋痛症の疾患性(特に性格傾向)の一面をよく表現している。(彼女は80%は改善していると思う)
その理由だが、線維筋痛症によく診られる性格傾向は明らかになっており、整形外科のドクターもそのような指摘をされる。ある整形外科の先生によれば、「線維筋痛症の人の性格は少し変わっている」らしい。非常に漠然とした言い方であるが・・
よく指摘される線維筋痛症の人の性格傾向は、
強迫
完全主義
執着性
自己犠牲
攻撃性
几帳面さ
不安傾向
抑うつ傾向
真面目
模範的
頑張りや
自己抑制的
他者の評価を気にすること
周囲の期待に応えようとする過剰適応
などが挙げられている。上の所見の一部は、広汎性発達障害的なものもあるが、そうとはいえないものもある。
個人的に、線維筋痛症の一部に広汎性発達障害にも該当する人はいると思うが、そうでない人(厳密には診断できない人)も多いように思う。今回の患者さんは広汎性発達障害には入らないと思った。
線維筋痛症は臨床検査的に正体がつかみにくいのが特徴だと思う。疼痛は自己申告の部分が大きいからである。しかし、これは精神疾患全般にもそのような傾向がある。(重要)
線維筋痛症は元々、線維筋痛症単独で発症するものを一次性線維筋痛症と呼び、他の疾患に随伴して発症するものを二次性線維筋痛症と呼ばれていたが、今は区別されていない。(線維筋痛症という疾患概念に包括される)。
最新の線維筋痛症の診断基準では、疼痛拡大指数が一定以上あることに加え、臨床徴候重症度も一定以上あることが含まれる。
この後者の「臨床徴候重症度」だが、線維筋痛症にしばしば合併する身体所見、あるいは精神所見が挙げられている。例えば、疲労感、うつ、思考・記憶障害、睡眠障害、過敏性腸症候群、ドライマウス、ドライアイ、光線過敏、口腔内潰瘍、胸痛など多岐に渡る(多すぎて全ては挙げていない)。
実は精神科医から診ると、これらの臨床所見は、とりわけ「線維筋痛症」ではなくても他の精神疾患で診ることが結構あることが驚きである。
最新の診断基準では、これらの臨床的所見のポイントに加え、「3ヶ月は続くこと」と「慢性疼痛を説明する他の疾患がないこと」が挙げられている。
これで今回の一連のエントリは終わりですが、近くもう少し追加の記事をアップする予定です。
線維筋痛症と前立腺症
過去ログに「前立腺症」という記事がある。2006年11月にアップしたもので、もう6年近く前である。その記事は、
前立腺症が果たして精神科の疾患なのか?
から始まっている。
前立腺症は、自分にとってずっと謎の精神疾患?であった。しかし線維筋痛症という疾患概念が次第に明らかになるにつれ、このカテゴリーないしこの亜型と考えることにより、最も矛盾がなく理解できるようになった。
前立腺症は、おそらく「無菌性のはっきりしない炎症」から発症するのである。
その後、人によっては、炎症が血行性に細菌を呼び込み、細菌性の炎症に発展するケースもある。だから、治療には抗生剤は意味がないわけではない。
過去ログにどこか忘れたが、試験の前に必ず風邪を引く人が出てくる。これはストレス性によりたぶんアレルギー的な風邪症状が出て、その後、ウイルスないし細菌がやって来て、もう少しはっきりした風邪症状に至るのである。このメカニズムに似ている。
元々、線維筋痛症は全身のどことは言えない疼痛を主症状とするが、実際は頻度が非常に高いとまでは言えないが、「身体の正中」に疼痛が集まる傾向がある。その最たるものは、腰痛、脊椎関節炎である。この脊椎関節炎のうち、代表的なものは強直性脊椎炎であろう。また胸骨の疼痛や頭痛、間質性膀胱炎も正中に生じるものと言える。
間質性膀胱炎は、疾患のタイプとして前立腺症に似ている。
間質性膀胱炎は膀胱間質の原因不明の慢性炎症で、進行すると膀胱が萎縮する。難治性疾患で、この疾患の10%に線維筋痛症を合併すると言われる(アメリカでの研究)。
症状は、昼夜関係なく生じる頻尿及び尿意切迫感で、膀胱とその周囲の疼痛が伴っている。線維筋痛症に合併する間質性膀胱炎は全例、女性だったと言う。
また、このはっきりしない頻尿、尿意切迫感、尿がきれいなのに膀胱炎症状を呈する老年期のうつ病や認知症の女性患者さんはよく診る。だから、線維筋痛症と診断できないメンタルヘルス系の女性で意外に有病率が高いのではないかと思われる。
その視点では、男性の前立腺症はこの女性の間質性膀胱炎の男性版といえるのかもしれない。
前立腺症では、頻尿、腹部圧迫、下腹部違和感、残尿感、会陰部痛(時に大腿部まで放散する)などがみられ、長い時間椅子に座っていたりするとうっ血し症状が悪化する。病状が悪くなると、尿の切れが悪くなったり尿漏れがみられる。感染を合併し尿道から膿が見られるケースもある。
この疾患は食事などで刺激が強いものを摂ると悪化するなど、とてもストレスになる上、治療者も対処が難しい疾患に入る。
また、前回の記事で紹介した「臨床徴候重症度」にも、「頻尿」「排尿痛」などが挙げられている。
過去ログでは、むしろ心理的なものを重視した記載をしている。また薬物治療として、前立腺症の患者さんに3環系抗うつ剤を処方し経過が良かったと書いているが、当時の精神科での対応は、今考えてもあのようなもので良かったと思う。
参考
前立腺症
うさぎの携帯ストラップ
躁うつの「うつ」に便秘が先行する話
僕のある女性患者さんは、うつ状態になる前に必ず便秘が先行してみられる。明瞭なうつ状態に至る前に便秘がみられるのである。もちろん薬は変更していない。
彼女は、うつ状態の随伴症状の1つが便秘と言える。
彼女は向精神薬が便秘の主な原因とは言い難い。
一方、ある女性患者さんは、2型躁状態になる直前に腰痛と肩こりがほとんど気にならなくなるらしい。
彼女の場合、躁状態の際に増える脳内麻薬様物質が疼痛に効いていると言える。躁状態が顕在化する前に、既に脳内では変化が起こっているのである。たぶん。
一般的に、激しい躁状態の時に強い疼痛を訴える人は稀である。一方、うつ状態の際には種々の疼痛を訴える人は非常に多い。
過去ログには、ECTで一発で腰痛が良くなった話や、手首の難治性の疼痛が消退した話が出てくる。
向精神薬の離脱症状と精神科医
このブログは向精神薬の話が多いが、向精神薬の離脱についてあまり触れていない。ところが、アメブロメールの相談やコメント欄でも離脱症状に苦しんだと言う話は時々聞く。
離脱症状の話は、ある患者さんの治療の連続したエントリで薬を変更した際も、あまり出てこない。
これは決して隠しているわけではなく、そういう経過がないからである。もし離脱が大きいのなら、このブログは副作用も大きなテーマの1つなので触れないわけはなかろう。
実際、そのような相談の際に「自分はそのような離脱はあまり経験したことがない」と答えている。
この話は色々な考え方があると思うが、医師により薬の効果の出方が変わるように、離脱症状の出方もたぶん異なるのである。もちろん熟練している方が、離脱症状はないか極めて少ない。
その証拠に、サインバルタは書籍的には離脱が結構出る薬とされているが、僕はそういう経験がほとんどない。あるのかもしれないが、患者さんが言わないのでおそらくたいしたことはないんだと思う。
例えば2週間しか処方していないのに1ヶ月ごとに来院する人がいる。よく話を聞いてみると、服薬の仕方がバラバラだったりするのである。処方内に、サインバルタとかリボトリールが入っているので、その患者さんに、
このような薬は離脱が出やすいので、続けて飲まないと、苦しいことがあるんですが・・
などと言うと、
えっ!本当ですか?
と、逆に驚かれる。その人は薬がなくなると、最後の1週間程度は薬なしでいるんだそうだ。ということは、薬を急激に止めても、いくらか異和感があったとしても、離脱といえる大きな自覚症状はないのであろう。
そういうことを聴くと、ある大きな疑問が生じる。
なぜ、その人は再診するのか?である。
ある時、バラバラに来ている人に尋ねたところ、何も薬を持たずに何週間も過ごすのは、不安になるからと言う。(患者さんにより色々な言い方がある)
別に1ヶ月後でも良かったんですが・・
など言う言い方なので、離脱が酷いから大急ぎで再診した感じではない。
サインバルタは少なくとも友人の間では、前評判と異なり、かなり離脱が少ない薬として評価されている。
パキシルは過去ログでジェイゾロフトに移行することにより減量しやすくなるといった記載をしている。これでうまくいかない人はパキシルに戻すが、そのような人は10人に1人もいない。これもうまくいかない人は離脱によるものではなく、抗うつ作用がその人には不足するためである。
パキシルは基本的に癖がある薬で、これでないとうまくいかない人がいる。ある種の特殊な強力さを満ち合わせた薬だからであろう。
もちろん、離脱が出現しうることはわかっているので、変更や減量の際に工夫はしている。それは過去ログにもあるが、パキシルを減量する際に毎日アナフラニールを点滴しに来院してもらうなどである。(その他、リスパダールの減量ではリスパダールコンスタを併用することを薦めている)
リボトリールも離脱はほとんど経験がない。これは同じようなベンゾジアゼピンに変更して減量している。これでほとんど問題がない。
たいてい長期型のメイラックスを選ぶが、患者さんはむしろリボトリールよりメイラックスの方がうつが晴れて良いと言う人が2~3割くらいいる。この点を見ても、リボトリールの方が効果の奥行きがやや広いのである。(リボトリールのほうが、メイラックスより飲み味が軽いという言い方をする人もいる)
今日のエントリはやや非科学的な点もあるため、オカルトのテーマに入れている。過去ログにも同じような話は時々出てくるので興味のある人は探してみると良い。
結局、離脱が出まくって患者さんが苦しむのは、患者さんの忍容性の評価も含め、精神科医の経験や技量が不足しているのである。
実は離脱があまり生じないことは、治療の上で「薬の変更に支障が生じにくく、時間をロスしない」という大きなメリットがある。サッカーで、
あの単調な玉離れの良さが、攻撃のリズムを生むんですよ。
といった解説を聞くことがある。これと全く同じである。薬の変更程度に手間取っているようでは、寛解に向かう良いリズムが生まれないと思う。
薬物治療の際に離脱がほとんどないことは、種々の面で治療に大きなメリットをもたらすのである。
参考
精神科医と薬、エイジング
パキシルはコーティングするのか?
アナフラニール点滴マニュアル
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ねこの携帯ストラップ
今日はねこの携帯ストラップをアップしてみた。大きさは前回のうさぎと同じくらい。結構小さい。お値段は840円だったと思う。
どこに売っているのか質問があったが、これは「ストーンマーケット」と言う福岡キャナルシティのお店で買ったもの。
「ストーンマーケット」は全国展開している上、サイトでも買い物ができるようなので福岡まで行かなくても買える。下にホームページをリンクしている。
拡大すると、キティちゃんのようにお髭がある。ネコは髭がポイントなのでしょう。きっと。
前回、アップしたうさぎ。
このストーンマーケットのオーナーだけど、アメリカを放浪していて美しい石を発見。起業して、アメリカンドリームを成し遂げた人ではないかと。
いつだったか、テレビで紹介されていたような・・
いつかアップしたキティちゃんもここで買ったのでした。(嫁さんの趣味)。
キティちゃんは全身なので、サイズがかなり大きい。お値段も2000円近くしたと思う。
参考
ストーンマーケットのホームページ
線維筋痛症とSNRI及びSSRI
線維筋痛症では、微小な刺激でも激痛を感じることがあり、人によると、シャワーですら大変な痛みを感じることがある。
手首に痛みを感じたとしても、「痛みを感じる座」は脳にある。
従って、例えば手首に激痛を感じた場合、その場所から脳に至るまでの神経伝達や脳での情報の処理の障害でも異常な痛み感覚が生じるのである。
ヒトの神経系では、痛みのシグナルは脳に至るまで修飾することができる。だから激痛が生じうるほどの大怪我をしても、その瞬間ではなく、その直後の神経伝達を通じて痛みとして脳で感知される。
その伝達に関与しているものとして、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が挙げられる。
セロトニンやノルアドレナリンが知覚神経系に豊富に放出されると、疼痛は抑制ないし遮断される方向に行く。逆に枯渇している状況では、閾値以下の微小な痛み刺激でも大きな疼痛に感じられるようになる。
そのような文脈で、SSRIやSNRIのセロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害作用により疼痛が軽減ないし消失させることができるのである。
一般に、SSRIもノルアドレナリンを全く増やさないとまでは言えないが、SNRIの方がセロトニン、ノルアドレナリン双方に対し増加させる効果があるため疼痛にはより有効である。これは、実際に推奨度でも相違が示されているし、臨床経験にも一致している。
以下は主なSSRI及びSNRIのエビデンス及び推奨度を挙げている。
SSRI
パキシル
エビデンスⅡa 推奨度B (日本もB)
ジェイゾロフト
エビデンスⅡb 推奨度B (日本もB)
デプロメール(ルボックス)
エビデンスⅡb 推奨度B (日本もB)
SNRI
サインバルタ
エビデンスⅠ 推奨度A (日本はB)
トレドミン
エビデンスⅠ 推奨度A (日本はB)
エビデンスレベルⅠ~Ⅴについて
ランクⅠ
Systemic review、メタ解析によるデータ。
ランクⅡa
1つ以上のランダム化試験によるデータ。
ランクⅡb
非ランダム化データによるデータ。
ランクⅢ
分析疾病学的研究によるデータ。
ランクⅣ
記述疾病学的研究によるデータ。(何例中何例が有効だったなど)
ランクⅤ
患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見。
推奨度
A 行うように強く勧められる。
B 行うように勧められる。
C 行うように勧めるだけの根拠が明確でない。
D 行わないように勧められる。
過去ログの「ジェイゾロフト」の記事で、疼痛に対しゾロフトやECTが効いた話が紹介されている。SSRIは効いておかしくない薬だが、処方に際しその患者さんの年齢や忍容性の程度を診てから判断すべきである。
一般に抗うつ剤の抗うつ効果と疼痛への効果は独立していると言われている。また、SSRIはSNRIや3環系抗うつ剤より疼痛への効果が劣るとされている。
SSRIは3環系抗うつ剤より副作用の頻度が少ないという都市伝説にはほとんど根拠がなく、二重盲検法によると副作用の頻度には有意差はない(過去ログには副作用のタイプが異なるという記事もある)。
疼痛に抗うつ剤を試みる場合、SNRIをSSRIより優先した方が良い。その際に3環系あるいは4環系抗うつ剤やリフレックスの処方も考慮すべきである。