良い不運と悪い不運
朝、病院まで車で通勤する時、悉く赤信号に引っかかり到着がギリギリになる日がある。 このような日はどうしてもあるもので、遅刻にならなければ大きな問題ではない。このような際、「良い不運」で終ったので「ああよかった」と思う。 どうしても受け入れなければならない不運を1つ消化したと言った感じか?...
View Article筋肉の疼痛性障害とアトルバスタチン
過去ログでは、疼痛性障害や線維筋痛症はさまざまな科で扱われると記載している。主に整形外科、麻酔科、精神科だと思うが、もちろん神経内科や代謝内科などでも治療される。 疼痛はしばしば精神障害を伴うことや、治療に難渋すると精神科に紹介するケースもあるので、相対的に精神科に難しい患者さんが集まる傾向がある。...
View Articleリフレックスは内科や外科でよく処方されている
身体科からの紹介状やリエゾンの際、薬を見ると精神科の初診の前に既に向精神薬を使われていることも多い。一般的にはデパス、レンドルミン、ベルソムラなどを良く見るが、たまにリフレックスなどの抗うつ剤も処方されている。...
View Articleストレスも疾患の範囲内
「ストレスで悪化した」という表現がある。一般にストレス下では、精神疾患に限らず身体疾患、例えば胃潰瘍なども悪化しやすい。このような経緯だったとしても、精神科以外では、病理学的に胃潰瘍なのでストレスはさほど重要視されない。 逆に言えば、その人はストレス下で胃潰瘍を選んだとも言える。結果的に胃を犠牲にしてバランスを取った感じだ。(例えばそのために入院し休養を取れることを言っている)...
View Article遺産相続とうつの話
近年、遺産相続のトラブルがストレスになりうつ状態が悪化する人を良く診るようになった。直接的に遺産相続のトラブルのために初診した人はおらず、既にうつ病で治療していた人ばかりである。 これは遺産相続が決定的にうつを来すものではないようにも見える。そう思う理由は遺産相続は失うことではなく、取り分の多寡に関係しているからかもしれない。...
View Articleソラナックスとレキソタンの飲み方を他院で聴く
以前同じような記事をアップしたと思う。時々、他院にかかっていてうちの病院に受診する人がいる。2~3名くらい。彼らは足りない眠剤を貰うわけではなく、またいわゆるセカンドオピニオン的なものではなく、なぜ受診するのか今もわからないままだ。このような受診では、県にもよるが自立支援の医療補助が効かない。また彼らはそれでも良いと言う。...
View Article看護職員が希望する眠剤の変遷
看護職員が不眠で希望する眠剤は、僕が研修医時代はハルシオンが1位だった。当時はレンドルミンやマイスリーのない時代で、短期型の睡眠薬はハルシオンしかなかった。ハルシオンは当時は0.25㎎と0.5㎎錠の剤型しかなく、0.25㎎を貰うと割れば2倍に使えるメリットがあった。 (ハルシオン=トリアゾラム、レンドルミン=ブロチゾラム、マイスリー=ゾルピデム)...
View Article悪化する直前のEPSの軽減
特に長期に治療中の統合失調症の患者さんでは、悪化する直前、EPSの軽減を診ることがある。これは、ジストニアなど軽減がわかりやすい症状でより明瞭である。しかしもう少し気が付きにくい僅かな振戦などを伴う人たちでも確認できることがある。 外来患者では、これらの継時的なものがわかりにくい。つまり、ジストニアの軽減と病状の悪化が同時に生じているのか、あるいはタイムラグがあるのか?などである。...
View Articleラミクタール処方時の説明とプラセボ効果について
ラミクタールを初めて処方する際、中毒疹が起こりやすいことを注意喚起する。その流れで、この薬はいかなる効果をもたらすかも説明する。その理由は、そこまでのリスクをとっても試みる価値があることも説明しないと、患者さんから不審に思われかねないからである。...
View Article知らない方が不安の原因になる
ある日、診察中に「知らない方が不安の原因になる」という話が出てきた。その時、主に薬の効果や副作用を指していたが、自分の精神疾患について良く知らないことも不安に繋がると思う。...
View Articleレキサルティとエビリファイの低用量での振る舞いの相違
エビリファイはうつ状態に使う場合、抗うつ剤と併用し少量で処方される。これは少量でのドパミンライクな作用を利用している。エビリファイの少量(エビリファイ1~1.5㎎)は老人や忍容性の低い人たちでもD2遮断的ではない。 レキサルティも少量では抗うつ的に作用するが、エビリファイよりD2遮断的に作用するといった相違がみられる。(レキサルティ0.25から0.5㎎)...
View Article精神科医とタバコ
大学入学時、新入生がタバコを吸っている光景はちょっと違和感があった。「高校時代、普通吸わないだろう」ではなく、現役や1浪くらいだとまだ未成年だから。現在は選挙権が18歳に引き下げられたことに合わせ成人の区切りが18歳になったので状況が違う。...
View Article夜のノラネコ
ネコは本来夜行性なので、夜中に撮影すると結構、元気に見える。 このネコは真夏は激やせして死にそうにしていたが、今は体重も回復しているもよう。 特別に弱っていたので、ネコおばさんから、一時はマグロ缶ももらっていたようである。
View Article私は治ることはないと思うのですが、より良くなることはできるのではないかと思えるようになりました
ある時期、ある女性患者さんの洋服、化粧などを指導していた。例えば、「役場に行くときは清潔できれいな服を着てきちんと化粧をして行きなさい」などである。もちろん、ショッピングセンターに行くときも同様である。...
View Article大昔のヒトの精神疾患について思うこと
大昔はヒトの平均寿命はずっと短かったため、今より疾患の数(%)は少なかったと思われる。その理由は、更年期~高齢にならないと発病しない疾患もあるからである。 若い人がワーキングホリデーなどを使い国外で働こうとした際、若年者は持病が少なく病院にほとんどかからない人が多いことも決断しやすい点である。日本ほど医療費で心配がない国は少ない。...
View Article薬物変更による揺さぶりについて
過去ログにある薬は良くなかったもののその揺さぶりが良い結果になったと言う記載がある。今回は、この揺さぶりについての話。 この「揺さぶり」は特に抗精神病薬がその人にはやや強かった時に起こりやすい。例えば、傾眠とかEPSが出たような時である。...
View Articleレキサルティと食欲、体重
特に統合失調症では体重の推移は病状と関係が深い。未治療だと拒食や食欲不振に加え幻覚妄想などによる脳のエネルギーの消費のために痩せていることが多い。治療を開始すると、次第に緊張病症候群などの陽性症状が改善し食欲が回復してくる。その流れで本来の体重に戻っていく。これが基本なのである。...
View Article整形外科に行ってみたこと
左手の親指が急に曲げにくくなり、次第にばね指の状態になった。今、あらゆることに不便である。特に夜中起きて、うっかり何かをつかんでしまう際に相当に痛い。 また、起きた直後は全指の浮腫みがあり、ぎゅっと握れないし、ばね指もあるのでかなりの違和感である。またそれは正午くらいには軽くなる。あまり指を動かさない方が良いと思い安静にしていたところ、全く動かなくなった。遂に整形外科に行くことにした。...
View Article先生、自分の薬を飲んでみてくださいよ
統合失調症の人のうち、自分の体の中でいかなる異常事態が生じて服薬しなくてはならないのか理解できないため、なかなか服薬の必要性の理解まで行きつけない。これは特に統合失調症でも中核群の人に時々見られるが、異常体験が本人が困ると感じる体験に重ね合わさらないのであろう。ここが「統合が失調している」と呼ばれる所以である。...
View Article統合失調症の寛解状態と統合失調感情障害
アムロジンなどの降圧剤は服薬すれば血圧が正常域まで低下するが、服薬をやめると次第に元の高血圧に戻ってしまう。つまり強制的に正常化させるもので、根本治療的な薬ではない。 これらは高脂血症、高コレステロール血症、高尿酸血症など成人病の薬はほとんどがそのタイプの薬でありいったん始めたら中止が難しい。ただし、疾患のレベルにもよるが、運動療法や体重を減量することで正常化できる人もいると思われる。...
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